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最終更新日:2024年4月22日

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高度教養特殊講義a(国連とインクルージョン)

国連とインクルージョン
国連で、193カ国の首脳によって採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」(2015)。SDGsは、2016年から2030年までの国際の優先事項を定めたもので、「誰一人取り残さない(Leaving no one behind)」こと、すなわち「インクルージョン」をコア概念としている。国連では、女性、子供、移民・難民・国内避難民、先住民・少数民族、障害者、高齢者、LGBT等のインクルージョンが重点課題とされている。偏見や差別により周辺化された人々は、身体的・性的暴力や殺人を含む人権侵害、貧困、健康問題を始めとする様々な開発上の困難に曝されることが多い。また、国際社会においては、障害、LGBT、精神保健等、テーマ自体が周辺化されることもある。

2019年Aセメスターは、SGDsにおいて優先事項として含まれた「性と生殖に関する健康(Sexual and Reproductive Health:SRH)」を主要テーマとする。SRHとは、ジェンダーの平等が達成され、人が安全で満ち足りた性生活を営み、結婚をするかしないか、子どもを産むか産まないか、産むなら何人産むかを自由に決められることであり、国連人口開発会議(カイロ)以降、人口問題の根本理念として国連の優先事項の一つとされている。一方で、性教育、避妊具の使用、望まない妊娠、妊産婦保健、HIVを含む性感染症、性暴力、女性器切除、LGBTI、人身取引等、宗教や文化と深く関わるテーマを多く含んでいるゆえ、国際の合意が難しく、開発途上国の現場でも周辺化されやすい分野の一つでもある。ジェンダーや人権、教育・保健、そして貧困削減においても基礎をなすSRHをめぐっては、国連人口基金(UNFPA)をはじめ、国連児童基金(UNICEF)、世界保健機関(WHO)、国連教育科学文化(UNESCO)、国際移住機関(IOM)等、多くの国連機関が様々な取組みを行っている。しかし、昨今も、文化的または政治的観点から論議を呼んでおり、例えば、米国トランプ政権は、UNFPAへの資金拠出を停止している。

本講義では、国連機関職員や当事者を含む講師から現場の状況を学びつつ、学生間の討議や調査を行い、SRHをめぐる国際社会の新しい解決策を考える。また、これを通して、国連の実際およびインクルージョンについて学ぶことを目的とする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08X400105A
FAS-XA4D01L1
高度教養特殊講義a(国連とインクルージョン)
井筒 節
A1
木曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
・国連システムとSDGs ・世界の性と生殖に関する健康 ・国連スタッフによる講義 等を予定。
授業の方法
国連関係者・現場関係者・当事者による講義および受講学生によるグループ・ディスカッション・発表 。
成績評価方法
授業への参加と課題 。
教科書
使用しない。
参考書
授業内で紹介する。
履修上の注意
N/A
実務経験と授業科目の関連性
国連職員としての経験に基づき、開講する。