学部後期課程
HOME 学部後期課程 東西文明学II(言語と歴史2)
過去(2021年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年4月1日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

東西文明学II(言語と歴史2)

文学で知る中国の古典と現在
この科目は後期TLP(トライリンガル・プログラム)の一環に位置づけられている。「東西文明学Ⅰ」、「東西文明学Ⅱ」等の所定単位を取得することによって、後期TLPの修了資格を得ることができる。授業は中国語で行われる。「中国語を学ぶ」ではなく、「中国語で学ぶ」ための講座である。

具体的に本講義では、中国語の美しさを実感できる古典と現代の文学作品を読み、中国文化に関する文学、人々の考え方、制度、伝統、習慣等の実際と理論を学ぶ。今学期はまず「歳時」、「家」、「故郷」、「自然」、「人生」といった中国文学において大きなテーマとなっている五つの問題を読み解いて、中国文学・文化の特徴を考えてゆく。
また、中国古典を代表する名作『詩経』、『論語』、唐詩、宋詞などを精読することを通して、古典を読むための基本的な方法を身に着けることも、到達目標の一つとしたい。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08H006422
FAS-HA4A02L5
東西文明学II(言語と歴史2)
鄧 芳
A1 A2
木曜3限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
中国語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
第一講:歳時(第一回、第二回、第三回) 導入説明:「歳時」とは何か、および中国文学における「感時」 一,春节 1.薛道衡(南北朝至隋)《人日思归》;参考《荆楚岁时记》“人日”(南北朝) 2.王安石(北宋)《元日》;参考《东京梦华录》(南宋)和《岁时广记》(南宋) 3.『北京風俗図譜』絵:陳師曽;編:青木正児。(清代末の北京の風俗・風物の詳細な図録。第1巻は「歳時」。) 4.冰心《童年的春节》(现代) 5.阎连科《过年的母亲》(现代) 二,中秋 1,张九龄《望月怀远》(唐代) 2,苏轼《水调歌头 明月几时有》(北宋) 3,周作人《中秋的月亮》(现代) 参考一(関連): 1,《礼记 月令》(西汉) 2,《风俗通义》(东汉) 3,李世民《除夜》(唐代) 4,孟浩然《田家元日》(唐代) 5,莫言《故乡过年》(现代) 参考二(日本): 1,俳句歳時記 / 角川書店編 2,清少納言『枕草子』 3,植木久行『唐詩歳時記』 (講談社学術文庫) 4,木村荘八「東京の風俗」、『東京繁昌記』 5,葛元煦『上海繁昌記』 *今後の予定:一、上元、端午、重阳 二、寒食、清明 第二講:家(第四回、第五回、第六回) 導入説明:家族倫理と国、天下 中国の古典詩に、妻・母・姉妹の描写が少ないことは以前から指摘されているが、その代わりに、兄弟が登場する作品が多い。ここから中国文学の特徴が見えてくるのではないかと思う。 一、兄弟 1,《诗经》《棠棣》(先秦) 2,《论语》(司马牛忧曰)(先秦) 3,王维《九月九日忆山东兄弟》(唐代) 4,杜甫《月夜忆舍弟》(唐代) 5,沈从文《边城》(节选)(现代) 6,鲁迅《风筝》(收入《野草》)、《弟兄》(收入《彷徨》)(现代) 参考一(関連): 1,《后汉书》卷七十六《许荆传》 2,《三字经》“融四岁,能让梨” 3,紫荆花的典故 梁代吴均《续齐谐记》“京兆田真兄弟共议分财” 参考二(日本): 谷崎潤一郎『細雪』 *今後の予定:一、父母 二、夫婦 第三講:故郷(第七回、第八回) 導入説明:故郷への想い、作家のふるさと、「グローバル化時代」における「ふるさと」 1,宋之问《渡汉江》“近乡情更怯”(唐代) 2,贺知章《回乡偶书》“少小离家老大回”(唐代) 3,王维《杂诗》“君从故乡来”(唐代) 4,李白《静夜思》(唐代) 5,鲁迅《故乡》(现代) 鲁迅小说中的鲁镇和S城(绍兴) 6,莫言《我的高密》(现代) 参考一(関連): 1,张抗抗《故乡在远方》 2,刘震云《故乡天下黄花》、《故乡相处流传》等关于故乡的小说 3,贾平凹的商州(商州系列小说) 4,莫言的演讲和莫言的小说里的高密 5,王安忆 演讲《上海是很多人的故乡》 参考二(日本): 1,太宰治、島崎藤村、与謝野晶子など 2,中国でも抜群の人気を誇る「北国の春」  第四講:自然(第九回、第十回) 導入説明:中国文学における自然観と「物我」観 1,比兴:诗经 《蒹葭》(先秦)、参考《文心雕龙》的“比兴”“物色”篇 2,田园:陶渊明《饮酒》(东晋),参考朱光潜《诗论》中“陶渊明”一章。 3,山水:李白《独坐敬亭山》、王维《终南别业》、《辋川集绝句》(唐代) 4,孟浩然、韦应物的山水诗(唐代) 5,冯友兰《新原人》第四章“自然”(现代) 6,朱光潜《慢慢走,欣赏啊》(现代) 7,沈从文《边城》(现代) 8,史铁生《我与地坛》(节选)(现代) 参考一(関連): 1,《道德经》 2,《庄子》 3,魏晋玄学的自然观 汤用彤《魏晋玄学论稿》 参考二(日本): 1,『万葉集』 2,『枕草子』 3,川端康成 受賞記念講演『美しい日本の私』 4,もののあわれと「物我一体」 第五講:人生如寄(人生 寄するが如し) (第十一回、第十二回) 導入説明:三千年続いてきた「人生詠嘆」 1,『論語』子罕 子在川上曰、「逝者如斯夫。不舎昼夜」一般の説と吉川幸次郎説 討論 2,『荘子』知北遊 「白駒隙を過ぐ」 3,《古诗十九首》“去者日已疏”、“生年不满百”、“回车驾言迈” “驱车上东门”(汉末) 4,曹丕《善哉行》(建安) 5,陶渊明《杂诗二十首》(选一)(东晋) 6,苏轼《和子由渑池怀旧》(北宋) 7,余华《活着》(节选) (现代) 8,严歌苓《严歌苓作品集:寄居者》(现代) 9,杨绛《走到人生的边上》(节选)(现代) 参考一(関連): 1,《庄子》(先秦) 2,曹操《短歌行》、曹丕《大墙上蒿行》、曹植《箜篌引》(建安) 3,苏轼《念奴娇赤壁怀古》、《前赤壁赋》(北宋) 4,莫言《生死疲劳》(现代) 参考二(日本): 夏目漱石、芥川龍之介、志賀直哉、川端康成、三島由紀夫など 今学期のまとめ(第十三回) *授業内容は必要に応じて変更することがあります。
授業の方法
履修者は指定された文学作品を事前に予習した上で、授業中では教員がまず概要を説明し、その後、一緒に重要な作品を精読するとともに、それぞれの読み方や考えを発表して、議論してもらう。
成績評価方法
課題文章に対する複数のレポートと、学期末の最終レポートを総合的に評価する。
教科書
プリントを配布する
参考書
俳句歳時記 / 角川書店編 植木久行『唐詩歳時記』 (講談社学術文庫) など
履修上の注意
授業は中国語で行われる。