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最終更新日:2024年4月1日

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人間情報学III

認知革命―情報処理装置としての人間観の系譜とその最先端―
いまから50年ほど前に認知科学(cognitive science)が誕生したことにより、人の知(認知や知能)の捉え方が大きく変わったため、この変革はしばしば「認知革命」と呼ばれている。しかしながら、知の捉え方が大きく変わったのはこのときだけではない。認知科学はその他の諸学問(知覚心理学・発達心理学・社会心理学、情報科学・人工知能、脳科学・神経科学、社会学、進化学など)と交流し、それら諸学問の考え方を取り入れることで絶えず変化してきた。現在の最先端の研究もその変化の結果として生まれたと言える。それゆえ、最先端の研究を正確に理解するには、認知科学がどのように変遷してきたかという歴史的な視点が必要である。本講義では、この歴史的な視点を提供した上で最先端の研究を紹介し、それでも50年の間に認知科学が保ってきた考え方とは何かについて、特に高次認知(記憶、意思決定、推論、問題解決、創造的思考など)に焦点を当てて考察していく。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08D1239
FAS-DA3D23L1
人間情報学III
植田 一博
S1 S2
火曜1限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
1. 授業全体に関する説明   認知革命と認知科学の基本的な考え方 2. 古典的な認知科学研究(1)―記憶研究   エビングハウス、バートレット→2つの研究の流れ(認知科学は後者)   記憶の認知モデルとその検証実験 3. 古典的な認知科学研究(2)―推論研究   演繹推論の枠組み   4枚カード問題を使った一連の研究 4. 古典的な認知科学研究(3)―問題解決研究   探索としての問題解決(問題解決=探索であることの発見)   アルゴリズムからヒューリスティクスへ 5. 知識の重要性   知覚における知識の重要性(Hollow mask illusionや顔認知、視線認知の例)   推論における知識の重要性   知識の獲得と構造―認知発達研究および進化論的な観点から 6. 柔軟な知識の利用   実用的推論スキーマから類推へ 7.表象の柔軟性   Change blindness:確固たる表象という概念の不確かさ   日常記憶と目撃者証言 8. 潜在的認知の意味   行動経済学が明らかにしたヒューリスティクス   潜在的認知に駆動される意思決定   意思決定に与える情動および言語化の影響 9. 身体をもっていることの意味(1)   インタラクション科学・コミュニケーション論からの知見   認知発達における身体の重要性 10. 身体をもっていることの意味(2)   身体性と脳の可塑性   スキル獲得と脳の可塑性 11. 社会的存在としての人   コラボレーション(協働)による問題解決   社会性認知 12. 洞察問題解決と創造性研究   洞察問題解決研究   情動・身体・潜在的認知が創造性へ与える影響 13. 芸術と認知科学、まとめ   認知科学における芸術研究   授業の総括
授業の方法
・第2週(4月14日)の9時より20分程度、Zoomの接続テストを行う。 ・講義形式 ・第1週(4月7日)と第2週(4月14日)は休講となる。各自、Zoomでオンライン受講するための準備をしておくこと。 ・第3週(4月21日)から授業を行う。資料はITC-LMSに載せるので、この授業のコースに登録されていなければ、自己登録すること。 ・説明はZoomを用いて行うので、授業時間になったら以下のオンライン授業URLから接続すること。 ・授業回数を確保するため、補講日の6月2日、7月21日も授業を行う予定である。
成績評価方法
出席(小テスト)とレポート課題 毎回小テストを実施し、その提出をもって出席に替える。
教科書
特に指定しない
参考書
内村直之/植田一博/今井むつみ/川合伸幸/嶋田総太郎/橋田浩一『はじめての認知科学』(新曜社) 箱田裕司/都築誉史/川畑秀明/萩原滋著『認知心理学』(有斐閣) 上記以外の項目別の参考書については、授業内で紹介する。
履修上の注意
講義で使う資料を、情報基盤センターの学習管理システムITC-LMSからダウンロードできるようにする。受講を希望する学生でECCSのアカウントを取得していない人は、早急にECCSのアカウントを取得すること。