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最終更新日:2024年4月1日

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東アジア地域文化研究

現代香港の社会と文化
2019年後半の国際ニュースは、香港一色であった。「香港は祖国・中国に返還されたのに、なぜこのように大規模なデモが起きたのか」「過激なデモがなぜこんなに長期にわたって継続するのか」という問いを、多くの人は抱いたのではないだろうか。2020年になると、今度はコロナウイルスで国際ニュースは埋め尽くされた。それでは、香港はすべてが平穏になったのであろうか。
「強国となった中国とどのようにつきあうか」は、現在の世界にとって共通の課題であろう。その意味では、香港はその最前線に立つ。香港のすぐ後ろには台湾があり、その後ろには日本や韓国、東南アジア諸国が続いている。日本(のみならず世界)では中国のことは比較的知られているが、香港のことはあまり知られていない。本講義は2019年の大規模抗議活動から説き起こし、香港の社会、文化、社会と文化の交差を説明する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C2856
FAS-CA4Q09L1
東アジア地域文化研究
谷垣 真理子
S1 S2
金曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
以下のテーマについて講義する。 1 香港の基礎知識 2 香港社会についてのキーワード 3 香港の文化ー映画と伝統文化、現代大衆文化 4 社会と文化の交差ー香港アイデンティティ 第1回 第2回目はzoomのお試しです。 第3回目以降、授業が始まります。 初回はあらためて授業の概要説明、各人のご興味を語ってもらいます。 そのうえで香港の基礎知識として「国ではないが、国のような存在」について説明します。 以下は少しシャッフルして再度シラバスにあげます。 ・英領植民地・香港 ・返還までの過渡期と返還後の香港 ・移動する人々、香港人の国籍 ・香港映画の中のイメージー日本と中国 ・香港映像文化の中のイメージ―黒社会と警察 ・粤劇と祭祀演劇 ・功夫と俳優ネットワーク ・学生運動と中国認識 ・香港人アイデンティティの形成と日本 ・2019年大規模抗議活動とコロナウイルスから見た「中国世界」 ・自由、民主、愛国、本土/郷土―香港・台湾・マカオ・中国大陸 ・2047年以後の「一国二制度」
授業の方法
アジア政治の初学者向けの講義を行います。香港が中心ですが、香港と関係性が深い中国大陸や台湾、マカオについても触れます。 Zoomを何回かやった経験からですが、Zoomでの授業は継続して60分が限界です。 やり方として、次のような進め方を考えています。試行錯誤しながら一緒に授業を進めましょう。 まず谷垣が40分から60分程度話し、そのあと質疑応答です。 リアクションペーパーはその日のうちでも、当日くらいにITC-LMSに提出してもらいます。 これまでのなじみの薄い地域が多いので、毎回授業の最後にリアクションペーパーを書いてもらいます。面白かったこと、わかりにくかったことを書き、その日の授業を振り返ってください。
成績評価方法
授業に関連したトピックス、あるいは授業から構想したアイディアに基づいて期末レポートを提出してください。(1)字数は4000字程度。(2)参考文献は3点以上、(3)「ですます調」でなく「である調」で作成してください。 レポート70%、授業への参加度(リアクションペーパー、授業中の発言など30%)で総合評価します。 レポートでWikipediaや事典類をコピペすると不思議とわかります。参照程度にとどめ、どこか自分らしさを出せるよう工夫してください。
教科書
特になし
参考書
中嶋嶺雄『香港――移りゆく都市国家(新版)』時事通信社、1997年。 濱下武志『香港――アジアのネットワーク都市』(ちくま新書)筑摩書房、1996年。 吉川雅之・倉田徹『香港を知るための60章』明石書店、2016年。 許家屯(青木まさこ・趙宏偉訳)『香港回収工作(上)(下)』筑摩書房、1996年、1999年〔ちくま学芸文庫〕。 陳浩基『13・67』(天野健太郎訳)文藝春秋、2017年。 このほか、新刊書などを適宜紹介していきます。
履修上の注意
香港については知らないことが多いので、説明でわかりにくかったところは気兼ねせずに質問してください。 ゲストレクチャーとして、6月に新書を出す銭俊華(香港出身、東大博士課程院生)に二度ほど登場してもらいます。 7月にマカオ大学の呉徳栄先生が東アジアの政治経済学について講義します。また台湾の作家、龍應台氏(『大江大海ー一九四九』(邦訳『台湾海峡一九四九』)の作者)も客員教授として同じ時期に駒場に来られます。合わせての受講をおすすめします。ともに集中講義です。呉先生は英語で授業をされます。
その他
授業の板書はできませんので、事前に資料をITC-LMSにuploadします。 ITC-LMSをこまめに見ておいてください。