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最終更新日:2024年3月15日

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スペイン研究III

中世イベリア半島の歴史(前半)
【授業の目標】
イベリア半島の置かれた地理的・歴史的な諸条件を把握しながら、異なる文化と文明がせめぎあった中世のスペイン・ポルトガル史のダイナミズムを、世界史的な文脈の中に位置付けることができるようになる。

【授業の概要】
我々は現在の世界情勢から遡及的に考えて、昔から「ヨーロッパ世界」と「イスラーム世界」が常に対立してきたと即断してしまうのではなかろうか。確かに、中世のイベリア半島では、いわゆる「レコンキスタ」や「十字軍」あるいは「ジハード」の旗の下に、キリスト教徒勢力とムスリム勢力が相争っていたことは紛れもない事実である。
 しかし、最前線で異教徒世界と対峙していたイベリア半島の人々は、異教徒勢力に対してどのように振る舞っていたのであろうか。本当に神の名のもとに異教徒を憎悪し、敵視していたのであろうか。あるいは信仰を異にしながらも、共存を試みていたのであろうか。
 本講義では、現在のスペイン社会・政治・文化にも深い爪痕を残している中世イベリア半島の歴史を全体として論じる。信仰上・文明上のフロンティアに生きた人々の、憎悪と共生の狭間で苦しみながらも、たくましく生き残ろうとした生き様を紹介しながら、異教徒間交渉・異文化接触の歴史的意義について考えていきたい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C2752
FAS-CA4P18L1
スペイン研究III
黒田 祐我
A1
月曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
以下のテーマに関して、論じていく予定である。  1. 導入 ~イベリア半島の地理的特質~  2. 古代 ~諸文明の坩堝となったイベリア半島~  3. 古代末期と中世初期 ~西ゴート王国をめぐって~  4. アンダルスの成立と後ウマイヤ朝の栄華  5. 「レコンキスタ」の始まりをめぐる議論の行方  6. 11世紀という大転機 ~ミクロな要因とマクロな要因~ *講義内容に関しては、受講者と相談して、若干の変更がありうる。
授業の方法
パワーポイントを用いる講義形式とする。適宜、受講者からの質問の受け付けと討論を休憩がてら、はさんでいくつもりである。なお受講希望者は「スペイン研究IV」も併せて登録してほしい。これらはひと続きの講義となる。
成績評価方法
本講義に関連するテーマを論じた学期末レポートによって評価する(80%)。 これと講義終了時にオンラインで提出してもらうレビューシートと平常点も評価に加味する(20%)。
教科書
用いない。
参考書
本講義で扱う各テーマに関連する参考文献は、講義中に適宜紹介する。
履修上の注意
世界の歴史と文化に対する幅広い興味・関心が必須となる。なお、テーマ上、スペイン語とスペイン史に対する予備知識があれば、より理解が深まるであろう。
その他
スペイン/ラテンアメリカ史を主たる専門とする学生のみならず、現代の宗教・民族問題に関心のある学生の聴講も歓迎する。