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最終更新日:2024年3月15日
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スペイン研究III
中世イベリア半島の歴史(前半)
【授業の目標】
イベリア半島の置かれた地理的・歴史的な諸条件を把握しながら、異なる文化と文明がせめぎあった中世のスペイン・ポルトガル史のダイナミズムを、世界史的な文脈の中に位置付けることができるようになる。
【授業の概要】
我々は現在の世界情勢から遡及的に考えて、昔から「ヨーロッパ世界」と「イスラーム世界」が常に対立してきたと即断してしまうのではなかろうか。確かに、中世のイベリア半島では、いわゆる「レコンキスタ」や「十字軍」あるいは「ジハード」の旗の下に、キリスト教徒勢力とムスリム勢力が相争っていたことは紛れもない事実である。
しかし、最前線で異教徒世界と対峙していたイベリア半島の人々は、異教徒勢力に対してどのように振る舞っていたのであろうか。本当に神の名のもとに異教徒を憎悪し、敵視していたのであろうか。あるいは信仰を異にしながらも、共存を試みていたのであろうか。
本講義では、現在のスペイン社会・政治・文化にも深い爪痕を残している中世イベリア半島の歴史を全体として論じる。信仰上・文明上のフロンティアに生きた人々の、憎悪と共生の狭間で苦しみながらも、たくましく生き残ろうとした生き様を紹介しながら、異教徒間交渉・異文化接触の歴史的意義について考えていきたい。
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