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最終更新日:2024年4月22日

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現代西洋経済史Ⅰ

現代西洋経済史 Ⅰ
 19世紀末から20世紀初頭(1920年頃)までの欧米社会経済史を、諸国・地域間の対立・摩擦の側面と、経済統合に向かう側面とに注目しながら概観する。この講義では上の1世紀ほどの期間をいくつかの時期に区分して、各期の①世界システム(通貨・金融、資本移動、貿易・海運、人口移動、外交・軍事など)の特質、②各国・地域の内的条件(殊に労使関係、農業、失業・貧困問題)を概説したうえで、③国内問題が国際問題に、また国際問題が国内問題に転化する様相を明らかにして、④それらを解決・回避する方策がどのように模索されてきたかを論ずる。また、同時に、ヨーロッパ現代史・ヨーロッパ統合史に関する通説・俗説を批判的に検討して、謬説や嘘がどのように形成され流布するのかにも論及する。
 おもにヨーロッパ諸地域を叙述対象とするが、世界システムや国際問題を扱うために、必要に応じてそれ以外にも論及する。19-20世紀において世界の人口と面積の大半を占めた植民地・第三世界だけでなく、殊に20世紀には、北米と日本はヨーロッパにとって無視できない外的要因である。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0702402-01
FEC-EH4203L1
現代西洋経済史Ⅰ
小野塚 知二
A1
月曜3限、木曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
経済学部
授業計画
Ⅰ 導入   1 課題と方法   2 19~20世紀という時代  Ⅱ パクス・ブリタニカの世界 -"nation-"の形成-   1 インダストリアリズム   2 「国民国家」・「国民経済」の言説   3 市場統合への動きと対立 -「自由貿易」体制-  Ⅲ 19世紀末の変化と第一次世界大戦 -"nation-"の制約-   1 世界システムの変化 -「大不況」-   2 「国益」の論理転換 -保護主義・関税戦争-   3 介入的自由主義と国際金本位制・多角的決済システム   4 世界市場と植民地   5 破局と組織化の経験 -第一次世界大戦-  Ⅳ 戦間期と第二次世界大戦   1 もう一つの組織化 -社会主義-   2 逆行 -ヴェルサイユ体制-  
授業の方法
 講義による。質問は随時受け付ける。
成績評価方法
 以下の内容・方法で定期試験を行うので、期限までに答案を提出されたい。また、提出任意のレポートの点数を加味する。いずれも詳細は後日案内する。 Ⅰ 定期試験の内容  ①本講義(および指定した教科書と参考書)の内容に深く関わる課題を各自設定する。  ②その課題が現代西洋経済史(経済学・経営学および歴史学(なかんづく近現代西洋史)、広くは人文社会科学)にとって有する意義を説明する。  ③上述①と②を踏まえて、課題に対して実証的で論理的な結論を与える。結論を導出する過程(本論部分)を省略することはできない。  ④本論・結論では展開しきれなかった残された論点の所在も明らかにする。つまり、すべての答案は、「課題-課題の意義-本論-結論および残された論点」の構成となる。  ⑤上述①~④を概ね2500~5000字程度の文章にまとめ、A4判横組みのPDFファイルにして、提出期限までの適宜の時点で本講義のメイルアドレス宛に提出する。  ⑥課題設定と課題の意義の説明、残された論点の自覚的表現、答案全体の構成・書式・形式も採点対象となる。  Ⅱ 定期試験実施の方法と形式 a答案の書式や形式については、別紙「レポートの書き方」を充分に参照すること。 b答案の本文の前に、自分が設定した課題を端的に表現する標題を必ず付す。標題を欠く文書は、私的書翰や日記などを除くなら、怪文書として扱われる。 c答案の冒頭(もしくはヘッダ)に必ず、「現代西洋経済史Ⅰ(2020年度A1)試験答案(1)(もしくは  (2))_提出者氏名_提出年月日」を明記する。 d答案のファイル名は、上記③と同じ情報とする。また、答案(1)と答案(2)は別のファイルとし、採点中の誤記や消去を防ぐため必ずPDFファイルで提出する。 e提出先および受領確認については、後日改めて、案内する。 f文字数(2500~5000字程度)はあくまで目安にすぎないので、自由に加減して構わない。ただし、ネット上に散乱しているさまざまな文章からの複写・貼り付け(コピペ)、および他科目の答案やレポートの流用などは容易に判明するので、そうした盗用・剽窃・流用は厳に慎むように。 gいったん提出した試験答案の撤回や他の答案への差し替えは、提出期間内ならばいかようにも可能である。その場合、必ず、上記本科目メイル・アドレス宛に撤回・差し替えの旨を明記して知らせること。 h答案作成に当たっては、必ず別紙「レポートの作成について」を読み、そこに示した要件を満たすように努力されたい(http://www.onozukat.e.u-tokyo.ac.jp/*****)。殊に、ⅰ全体の構成を明示する目次を書くこと、ⅱ3点以上の文献を参照することが大切である。なお文献名の表記は、本講義教科書の参考文献リストのように、著・編者名『書名主題 ─副題─』(発行元、刊行年)とする。これが社会科学分野での標準的な文献表記法である。欧文については「レポートの作成について」に紹介してある案内書を参照すること。なお、本講義指定のレポート表紙を付すことが望ましい。ワープロソフトを用いて答案を作成する場合は、下記.rtf版の表紙を利用すること。  http://www.onozukat.e.u-tokyo.ac.jp/*****  http://www.onozukat.e.u-tokyo.ac.jp/*****
教科書
 小野塚知二『経済史:いまを知り、未来を活きるために』有斐閣、2018年.  小野塚知二編著『第一次世界大戦開戦原因の再検討:国際分業と民衆心理』岩波書店、2014年.  小野塚知二『現代西洋経済史』日本経済評論社、2020年刊行予定.
参考書
開講後に参考文献リストを配布するほか、講義の進行に応じて随時紹介する。以下のものは本講義の内容に密接に関連するので、予め指定しておく。  藤瀬浩司『資本主義世界の成立』ミネルヴァ書房、1980年.  小野塚知二編著『自由と公共性 ―介入的自由主義とその思想的起点― 』日本経済評論社、2009年.  原輝史・工藤章編『現代ヨーロッパ経済史』有斐閣、1996年.  上川孝夫・矢後和彦編『国際金融史』有斐閣、2007年.
履修上の注意
 特になし。