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最終更新日:2024年4月22日

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生物多様性科学実習

生物多様性科学実習
近年、日本各地で生物の減少や絶滅といった問題が生じている。そして、その対策として、とくに農地や雑木林、都市林などの身近な自然を対象に、自治体や市民自らが、科学者などの専門家とともにその生物多様性を監視しつつ管理作業を行うといった活動が、日本全国に広がっている。本実習では、これまでに環境保全型農業に取り組んできた水田などの農地や、都市に残された森林などを対象に、これらの生息地の生物群集の現状や保全活動の効果を生態学的な手法で調べ解析する手法を実習する。また、実際に環境保全型農業などの活動をつづけてきた農家の方たちとの情報交換や議論の場提供も目指す。

(1) 環境保全型農法が進められている千葉県野田市の里山景観を対象に、有機農法の多様性保全への効果を測定するための生態学的調査法を実習する。
(2) 土壌動物などを題材に、生物群集の動態を理解するための生態学的調査法を実習する。
(3) 1と2で実習する調査デザインの背景となる生物統計学の基礎を、実際に統計ソフトウェアを用いて実習する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
060413010
FAG-MS3001P1
生物多様性科学実習
宮下 直
S2 A1 A2
S2: 集中、A1: 木曜3限 他
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
農学部
授業計画
6月 千葉県野田市で、環境保全型農法と慣行農法が行なわれている水田を対象に、水生生物などの調査法を実習する。 9-10月 6月の調査データを用いた解析法の実習。および11月以降に実施する群集調査の基礎になる生物統計学を統計ソフト R をもちいて実習する。 11-12月 小石川植物園を対象に、鳥類や土壌動物群集の調査方法を実習する。 12-1月 土壌動物調査で得られたデータを用いた統計解析の実際を実習する。
授業の方法
6月の集中野外実習では、野田市で保全型農法をすすめている農家の水田を対象に生物の群集構造の野外調査を実施する。10月には、6月に実施した野外調査データをもちいて、種数や構成種の個体数などの比較するための解析を実際に行う。その経験を踏まえ、さらに野外調査全般の調査デザインに関わる実験計画法などの講義を行い、R と他の生態学研究のデータをもちいた解析の実習も行う。11月からの野外調査では、生物群集に関する基礎的な講義のあと、小石川植物園を対象に野外調査を実施し、12月からの実習で、実際にそれらのデータをもちいた解析を行うとともに、解析結果の解釈を行う。
成績評価方法
レポートで評価する。課題は授業中に指示する。 提出方法:email で藤田剛助教 (*****) 宛に提出。A4で2枚程度を pdf 形式で。 提出期限:1月28日 (金) 午後4時
教科書
生物多様性概論、宮下 直 ・瀧本 岳 ・鈴木 牧 ・佐野光彦、朝倉書店、 ISBN978-4-254-17164-8 生物多様性と生態学、宮下 直・井鷺裕司・千葉 聡、朝倉書店、 ISBN978-4-254-17150-1 群集生態学、宮下 直、野田隆史、東京大学出版会、 ISBN4-13-062211-0
参考書
必要に応じて、講義中に紹介する。
履修上の注意
大学教養レベルの微分積分学・線形代数学を応用する場合があるが、必要に応じて初等的な解説を行う。