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最終更新日:2024年3月15日

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開発経済学

経済発展はどう捉えられてきたか
 開発経済学の基礎には常に「Development(開発、発展)とは何か」という哲学的問いがなければならない。発展とは「所得やGDPが増大すること」と考えがちであるが、所得は「何かをするための手段」に過ぎない。手段が目的化すれば、われわれの真の目的との間にズレが生じ、間違った方向に導かれていく。金銭的に豊かになったとしても、真の意味での生活の豊かさは失われるということも起こりうる。
 開発の本当の目的は、人々の暮らしが良くなることであり、それを考えるために、人々の暮らしの豊かさをどう表現し、捉えるかが重要になる。それを理論的に提示したのが、アマルティア・センのケイパビリティ(潜在能力)アプローチであり、その考え方は「人間開発Human Development」として広く知られるようになった。
 本講義では、このような開発概念の変遷に焦点を合わせて、経済発展論・経済成長論・経済開発論として論じられてきたものをアダム・スミスの時代にまで遡って経済学説史的に振り返り、ケイパビリティ・アプローチに至るまでの開発経済学の流れについて学ぶ。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
060320770
FAG-CE3E11L1
開発経済学
池本 幸生
A1 A2
火曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
農学部
授業計画
1.総論:「開発」の概念を整理し、ケイパビリティ(潜在能力)アプローチとは何かを解説する。 2.学説史的展望 1)自由貿易論 2)幼稚産業保護論 3)新古典派経済学 4)人間開発アプローチ
授業の方法
講義形式
成績評価方法
レポート試験により評価する。
教科書
アマルティア・セン『正義のアイデア』2011年
参考書
池本幸生・松井範惇 編『連帯経済とソーシャル・ビジネス―貧困削減、富の再分配のためのケイパビリティ・アプローチ』 明石書店、2015.4.
履修上の注意
アダム・スミスの『国富論』のように、経済学ではしばしば取り上げられながら、読む機会がほとんどない文献を実際に読む努力をしてほしい。
その他
2019年度シラバス作成教員:池本幸生