学部後期課程
HOME 学部後期課程 美学史講義
過去(2022年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年4月22日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

美学史講義

新プラトン主義の美学研究ーープロティノス最長論攷「いかにしてイデアの群が存立したか、更に善について」を読むーー
新プラトン主義の一応の出発点プロティノス(AD205-270)円熟期の中期論攷「いかにしてイデアの群が存立したか、更に善について」(『エンネアデス』第六論集第七論文)を精読することにより、新プラトン主義思想そのものに習熟するとともに、超越的美について思索を深めること。参加者の希望に応じ、全42章からなる最も長い論攷にして、かつ神秘体験と直知界の存立構造が詳述される雄勁なものに挑む。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04220651
FLE-HU4F04L1
美学史講義
堀江 聡
A1 A2
水曜5限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
1.新プラトン主義とは何か 2.プロティノスの著作について 3.プロティノス「いかにしてイデアの群が存立したか、そして善について」 4.同著第8章 5.同著第9章前半 6.同著第9章後半 7.同著第10章 8.同著第11章前半 9.同著第11章後半 10.同著第12章 11.同著第13章前半 12.同著第13章後半 13.同著第14章 14.同著15章 15.総括
授業の方法
演習に講義を挟む予定です。
成績評価方法
平常点と学期末試験ないしレポート。参加者の人数をみて、決定します。
教科書
ギリシア語原典(Oxford Classical Text)を底本とし、英語、仏語、独語、伊語、西語、フィチーノのラテン語などの諸訳を参照します。また、アラビア語による9世紀の翻案、流布版『アリストテレス神学』も必要に応じて援用する予定です。
参考書
諸訳の一例として、『プロティノス エネアデス(抄)IおよびII』(田中美知太郎・水地宗明・田之頭安彦訳)、中公クラシックスW50/51、2007年。『プロティノス全集』第四巻、田之頭安彦訳、中央公論社、1987年; Plotin Traité 38 (VI,7) par P.Hadot, Cerf, 1988; Plotin Traités 38-41 par L.Brisson, Flammarion, 2007; Plotin Ennéades VI 2e partie par E.Bréhier, Les Belles Lettres,1938(ビュデ版);Plotino Enéadas V-VI por J.Igal, Madrid:Gredos, 1998; Plotinus VII by Armstrong, Loeb,1988; Plotinus The Enneads by S.MacKenna, Penguin Classics, 1991; R.Harder, Plotins Schriften, Hamburg, 1956-71; C.Tornau, Plotin. Ausgewaelte Schriften, Reclam, 2001; M.Casaglia, Enneadi di Plotino Volume secondo, Torino, 1997; Plotini opera, tomus III, Enneades VI, ed. P.Henry & H.-R.Schwyzer, Paris & Bruxelles, 1973, ‘A.Badawī, Aflū†īn ‘inda al-‘Arab, Cairo, 1955=Kuwait, 1977(2nd ed.1966). プロティノスの原語の辞典として、J.H.Sleeman, Lexicon Plotinianum, Leiden & Leuven, 1980。水地宗明・山口義久・堀江聡編著『新プラトン主義を学ぶ人のために』、世界思想社、2014年。他の参考書は授業中に追って紹介します。
履修上の注意
古典ギリシア語を読むことは、履修条件ではありません。参加者各人の習得語学に応じて、分担を決めようと思います。
その他
初回はなるべく顔を出して下さい。 対象は古代末期ですが、もちろんプラトン美学を継承展開させ、西洋中世(例えば、新プラトン主義の藝術的開花であるアヤ・ソフィア寺院、ゴシック建築など)、イスラーム哲学、中世ユダヤ思想、ルネサンス、ケンブリッジ・プラトン主義、ドイツ観念論、ベルクソン、西田幾多郎などに多大の影響を与えた思想に触れる機会として、積極的な参加が望まれます。