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最終更新日:2024年4月22日
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宗教学宗教史学特殊講義Ⅷ
「ポスト世俗主義」のアメリカ
21世紀における「宗教」の意義とは、どのようなものか?
社会科学的なアプローチにおいては「若者の宗教離れ」であるとか「無宗教」の増加といったデータが紹介され、宗教の意義は廃れていく、と考えられる。たとえ宗教が意義をもつとしても、それは心の中のこと、あるいは私的な問題であると考えられる。これは一般に「世俗化」論として論じられてきた。
ところが社会哲学においては、逆に「ポスト世俗化」論が今世紀に台頭してきている。現代において宗教は、政治、社会、文化といった公的領域でも意義をもっており、もはや「世俗化」を前提には理解できない、というのがその端的な考え方である。
しかも、そこでは、「世俗化」を前提とした見方が「分断」の要因となり、逆に「ポスト世俗化」を前提とした見方が「連帯」の契機となる、という宗教の意義が示されてもいる。これまでの考え方からすると逆とも言えるこの「宗教」観はいったいどのようなものなのか?
本講義では、アメリカを題材としながら、社会哲学における「宗教」についての見解を論じ、「世俗主義」についての見直しをはかる。社会科学的なアプローチによる宗教の「事実」にかんする理解にくわえ、各受講生が現代社会における宗教の「意義」にかんする視座を形成することが本講義の目標である。
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