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最終更新日:2024年4月22日

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中国語学中国文学特殊講義Ⅵ

楚辞「天問」の精読と研究
『楚辞』は中国古代の歌謡として『詩経』と並称されるが、『詩経』とは全く異なる独自の個性を持つ。とりわけ「天問」は、神話や歴史についての疑問を延々と連ねる異色作である。伝統的には、作者とされる屈原の憂苦の表現として、多くの注釈が積み重ねられてきたが、近代に入って、神話学や古代史研究の立場からの分析もされている。
この授業では、「天問」の精読を通じて、中国古典の伝統的注釈の理念を理解するとともに、その技法に習熟し、中国古典を自力で理解するための基礎力養成を目指す。あわせて、近代における神話・文学研究の成果を理解し、その特性と限界をも認識して、古典の研究に求められる学的態度を涵養する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04202446
FLE-HU4O02L1
中国語学中国文学特殊講義Ⅵ
谷口 洋
S1 S2
火曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
前年度からの継続で行う。 授業開始が4/24に延期されたが、それに先立ち4/21にZoomによるガイダンスを行う。履修希望者は可能な限り参加すること。接続環境や使用機器の調査、授業の進め方の説明などを行う。 4/28には、履修希望メンバーの確認の他、今年度からのメンバーのために、『楚辞』の内容とその注釈史についてごく簡単な説明を行う。数種の伝統的注釈と、現代の注釈を併用し、比較検討しながら読み進めることになるので、どういうテキストをどのように読んでゆくかについての大まかな指針を与える。 5月以降は、演習形式で受講生に分担してもらい、実際に作品を読んでゆく。これまで4年度にわたり、冒頭の天地創造や洪水神話に関する部分を読み、禹をはじめとする神話的人物の伝承に入ったところである。 複数の注を併用する上、問題の錯綜する作品を扱う授業であるから、きわめてゆっくりとしか進まない。古典を読むことは、それをめぐって交わされた気の遠くなるような議論の積み重ねとつきあうことでもあるが、そのまどろっこしさの中にさまざまな気づきがあることを体感してほしい。
授業の方法
ガイダンスを兼ねた講義ののち、学生の調査・発表と討論に移行する。科目名は特殊講義だが、演習形式で行う。担当者は資料をあらかじめ決められた期限までにITC-LMS上にアップロードしておくこと。その他の受講者は授業の前にそれをダウンロード、プリントアウトしてから授業に臨むこと。詳しくは4/21のガイダンスで説明する。 ガイダンスに欠席しても履修はできるが、できれば4/28の授業までに連絡してほしい。
成績評価方法
受講者が少なければ、演習における発表や討論への参加状況で評価するが、それでは十分な評価が難しいと判断される場合は、別にレポートを課すことがある。学期中の適当な時期に方針を定め、授業で伝達する。
教科書
当面必要なものはプリントしてITC-LMSで配るが、中国の古い時期の文学に関心のある者や、大学院進学を考えている者は、洪興祖『楚辞補注』と朱熹『楚辞集注』くらいは購入してほしい。いずれも中国書専門の書店で手に入る。
参考書
游国恩『天問纂義』 星川清孝『楚辞』(明治書院「新釈漢文大系」) ほか授業で紹介する。
履修上の注意
特に事情がなければ、Aセメスターにも継続して履修することを望む。 中国語の学習が十分でない者(前期課程で履修していない等)で、履修を希望する場合、事前にメールで相談してほしい。漢文訓読で対応できる部分が多いが、中国語の発音の知識があれば理解に役立つこともある。