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最終更新日:2024年4月22日

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文化交流特殊講義Ⅰ

海域アジア世界とユーラシアの交流史
東アジア海域から地中海東海域に及ぶ広義の「海域アジア世界」(「インド洋海域世界」)は古来からアジア世界、イスラーム世界、地中海世界を結ぶ要であり、東西ユーラシアを結ぶ「海の道」(マリンルート、セラミックロード)でもありました。一方、ユーラシア大陸は古くから「オアシスの道」(シルクロード)、「草原の道」(ステップルート)を通じて東西、南北に結びつけられ、さらには「海の道」と連環して人・モノ・文化の環流構造を形成していました。本講義では、東西ユーラシア交流の背景にある多様的・多層的な社会の連鎖とその構造、遊牧世界と定住世界の関係、国家と社会の繋がり、国家の枠を超えて移動した人々・モノ・文化などに焦点を当てつつ、海域アジア世界とユーラシアの交流の歴史について考えます。
 また、歴史上における以下の要素について理解し、どうすれば自分を取り巻く現代社会の認識に応用できるのか自分自身で考えてみてください:
- 現代の日本とは生活形態・価値観の異なる遊牧民・海上民・その他の中間勢力が歴史上果たした役割
- 遊牧社会と融合或いは棲み分けをすることによって展開した定住社会の構造
- 都市国家・港市勢力と大型領域国家(帝国)の共生・相克関係が海域アジア・ユーラシア世界の各社会に及ぼした影響
- 定住社会と遊牧社会、或いは都市国家と大型領域国家を繋いだ商業・宗教・政治・文化的な仲介要素
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04195301
FLE-XX4307L1
文化交流特殊講義Ⅰ
四日市 康博
S1 S2
月曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
第1回 海域アジアとユーラシア:海域世界と東西ユーラシア交流の構造 第2回 海域世界におけるイスラーム港市国家(1)シーラーフ商人の海域ネットワーク 第3回 海域世界におけるイスラーム港市国家(2)シーラーフの後継国家とペルシャ湾・紅海ルート 第4回 海域世界と中国(1):ムスリムと漢人の海域ディアスポラ 第5回 海域世界と中国(2):中国銀の国際流通と海上貿易 第6回 移動における信仰と船 第7回 モンゴル覇権下の安定と衝撃(1):パクス=モンゴリカ 第8回 モンゴル覇権下の安定と衝撃(2):モンゴル=インパクト 第9回 モンゴル覇権下の安定と衝撃(3):インパクトへのレスポンス 第10回 移動する人々(1):地中海世界とユーラシア:マルコ=ポーロを例に 第11回 移動する人々(2):知識と移動のネットワーク:イブン=バットゥータを例に 第12回 海域アジアと日本・琉球(1):ユーラシアから見た日本 第13回 海域アジアと日本・琉球(2):海からのインパクトと古琉球社会の転換
授業の方法
本来は時系列に沿って通史的な解説をおこなうことが望ましいのですが、講義の回数・時間が限られているため、いくつかのトピックに絞って講義をおこないます。それぞれのトピックに関しては、担当者が作成した講義資料プリントに基づき、現地フィールドや関連資料の画像・映像を交えながら解説をおこないます。
成績評価方法
出席状況(50%)、学期末試験(50%)で成績を評価します。
教科書
テーマごとに講義資料プリントを配布します。
参考書
- ジャネット・L.アブー=ルゴド『ヨーロッパ覇権以前:もうひとつの世界システム』上,下、岩波書店, 2001.(原典:Abu-Lughod,Janet L. Before European Hegemony: The World System A.D.1250-1350. Oxford UP, 1989) - 四日市康博(編著)『モノから見た海域アジア史』福岡:九州大学出版会, 2008.
履修上の注意
講義には、様々な民族・言語・宗教の社会(人々の集団)が出てきますが、その定義や名称は文献や書籍上で必ずしも同一ではありません。もし、混乱や疑問が生じた場合は遠慮せずに質問してください。