英語学英米文学特殊講義Ⅹ

合衆国の独立宣言にも記されている「幸福の追求」をキーワードとして、特に独立期から十九世紀半ばまでの、Benjamin Franklin, The Autobiography of Benjamin Franklin; Henry David Thoreau, Walden; Margaret Fuller, Woman in the Nineteenth Century; Frederick Douglass, Narrative of the Life of Frederick Douglass; Harriet Anne Jacobs, Incidents in the Life of a Slave Girlなどの作品を抜粋で読む。また、作品のテクストだけでなく、幸福の問題について言及した、映画、音楽、新聞・雑誌・ブログ記事などを含む、現代までの様々な英語の資料に触れることによって、アメリカの人々が幸福についてどのように考え、どのように感じてきたのかを探ってみたい。ちなみに上に挙げた作品はいずれも半自伝的、ノンフィクション的作品であるが、そのジャンル的特性と幸福の追求というテーマの関連性についても少し考えてみたい。そして、十九世紀半ばまでのアメリカにおける幸福と、現代アメリカにおける幸福、あるいは日本における幸福とどこが同じでどこが異なっているのか、さらには、そもそも幸福とは何か、といった普遍的かつ個別的な問題についても議論してみたい。尚、この授業に参加することによって参加者全員がハッピーになれるかどうかは保証の限りではない。