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最終更新日:2024年3月15日

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ロシア・旧ソ連法

現代ロシア法
 近くて遠い隣国ロシアは、ソ連解体後の苦境から脱して大国として復活しつつあるかのようだが、とりわけプーチン時代後半には西側諸国との関係が悪化してきた。日本の新聞などでは、主として国際関係の視点からロシア関連の報道がなされているにしても、あくまでも表面的な次元に留まっている。本講義では、普段あまり知られることのない現代ロシア法の沿革と現状について、時にはソ連時代の歴史的背景をもふまえつつ講義をし、ロシアの「法治国家」や「立憲主義」の実情にせまり、ロシアを内在的に理解する手立てとしたい。
 現代ロシア法を理解する前提として、最低限ペレストロイカ期の法制度の変転をふまえ、まず現代ロシア憲法を始めとして国家制度の基本知識を習得し、各種法制度の特徴とその機能の両側面から、現代ロシアの歩みについて理解かつ説明できることを基本目標とする。さらにはクリミア編入問題のよ うな国際社会を揺るがせた事件についても、それがロシアの国内法とどのように関連してくるのかを把握し、ソ連解体が現代ロシア国家にいかなる後遺症をもたしているのかについても把握する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0120711
FLA-BL4611L1
ロシア・旧ソ連法
渋谷 謙次郎
A1 A2
金曜3限、金曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学部
授業計画
 ソ連解体以降の現代ロシアは、すでに四半世紀が経過しているが、その間、未曾有の(社会主義から資本主義への)体制転換が行われており、それにあわせて法制度も大々的な変化を遂げてきた。にもかかわらず、法治国家や立憲主義といった点で、ロシアは多くの問題を抱えてきている。なぜそのような問題を抱えているのかについて、以下のテーマを通じて、手がかりを得て、ロシアの実像にせまりたいと思う。 1.ペレストロイカと法:ソ連解体の局面 2.体制転換と法(総論)  3.権力分立の発生と二重権力化(過渡期の議会と大統領制)  4.新ロシア連邦憲法の制定  5.議会選挙と大統領選挙の歩み  6.司法制度改革  7.私有化の諸問題  8.体制転換と労働  9.欧州人権裁判所とロシア憲法裁判所  10.プーチン法治国家の近況:非リベラル国家への転回?  11.ウクライナ政変とクリミア問題 12.歴史の中のロシアの立憲主義と法治国家  13.法文化の視点からみたロシア法 14.まとめ 15.予備 
授業の方法
講義形式による。
成績評価方法
期末論述試験を通じた講義の論点の理解達成度による。
教科書
特定の教科書は指定しないが、講義用のシラバス・資料集を教室で配布する予定である。
参考書
参考書・副読本としては、渋谷謙次郎『法を通してみたロシア国家:ロシアは法治国家なのか』(ウェッジ、2015年)。  その他、体系性をもった概説書として、ソ連時代については藤田勇『概説ソビエト法』(1987年)、体制転換期については小森田秋夫編『現代ロシア法』 (2002年)、近年のロシア法については小田博『ロシア法』(2015年)が参考になる(出版社はいずれも東京大学出版会)。関心のある方は図書館等で紐解いてみて欲しい。
履修上の注意
 あらかじめ専門知識は必要としないが、ロシア、ソ連について高校時代の世界史程度の知識があれば、現代ロシ ア法の背景についての理解はより進むと思われるので、ロシアの歴史についてのおおまかな把握をしておくことが望ましい。また、今まで特にロシアに関心を抱 かずとも、これを機会に、ロシアに対する関心の手がかりを得たいと思う人をも歓迎する。
その他
上記ホームページは小森田秋夫・元東大社研所長によるロシア・東欧法研究のサイトであり、関心に応じてアクセスしていただきたい。