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最終更新日:2024年4月1日

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法社会学

法社会学
現代日本の法制度と法をめぐる社会現象等について、社会科学的アプローチを用いて探求する。実定法の解釈学とは異なり、法制度が社会においてどのような実際の働きをしているのか、していないのか、法をめぐる社会現象はどのようなメカニズムとダイナミクスで説明されるのか、という視角から分析する。法解釈学のように、法はいかにあるべきか、という規範的な分析や政策的提言を行うことよりも、法と社会とはいかなる相互作用をするものなのか、についての実証的分析や理論的考察を行うことをその中心的課題とする。
人間行動とその相互作用が、いかにして秩序を生み出したり社会制度を構築したりするのか、その際に規範や法はいかなる役割を果たしているのか、を認識するためには社会行為とその相互作用についての理論が必要である。このような社会科学的理論によって提示される諸仮説について、社会の現実とつき合わせて「ほんとうのところはどうなのか」を検証して行く学問が法社会学である。
法とは、あるべき社会についての理想像を示すものであるとともに、その理想へ至るための道筋を示し、理想を実現するための道具ともなるものである。人間心理と人間行動、そして社会事象についての正しい認識を踏まえなければ、その理想を実現することはできない。このような事実についての客観的認識を提供することにより、法社会学は、法が理想実現のためのより良い道具となるための条件を明らかにするものともなりうる。このことは、法制度の改善のための事実的基礎を提供することも法社会学の役割のひとつであることを意味する。
講義では、法社会学の諸理論、諸方法、諸成果を説明して行く。法意識・法文化、法律家(弁護士、裁判官、検察官など)、司法制度・裁判制度、裁判外紛争解決制度(仲裁、調停、苦情処理など)、法秩序、社会変動、などに興味を持っている学生の聴講を期待している。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0119731
FLA-BL2614L1
法社会学
FOOTE DANIEL HARRING
S1 S2
火曜3限、金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
4
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学部
授業計画
以下のようなテーマを取り上げる予定である。その他のテーマを追加する場合がある。順番が変わる場合もある。 1.法社会学への紹介 2.古典的法社会学理論①:エールリッヒ 3.エールリッヒの現代的意義 4.古典的法社会学理論②:パウンド 5.古典的法社会学理論③:リーガル・リアリスト 6.パウンドとリーガル・リアリストの現代的意義:裁判制度改革を中心に 7.古典的法社会学理論④:デュルケム 8.デュルケムの現代的意義 9.古典的法社会学理論⑤:ヴェーバー 10.ヴェーバーの現代的意義 11.古典的法社会学理論⑥:パーソンズ 12.ゲーム理論 13.古典的法社会学理論⑦:ハートおよび⑧ノネ&セルズニック 14.法と社会心理学 15.経験的法社会学の研究方法① 16.経験的法社会学の研究方法② 17.弁護士業務の実体および刑事弁護制度:質問票調査の利用 18.日本人の法意識① 19.日本人の法意識② 20.日本人の法意識③:日米中三ヶ国法意識調査を中心として 21.日本の法曹① 22.日本の法曹② 23.紛争行動・紛争解決 24.社会と法の相互的作用 25.日本の行政文化 26.日本の刑事制度の特徴
授業の方法
講義による
成績評価方法
定期試験による
教科書
教材は随時指示する
参考書
準教科書:①太田・フット・濱野・村山編『法社会学の新世代』(有斐閣、2009年)②六本佳平『法社会学』(有斐閣)③ダニエル・H・フット『裁判と社会:司法の「常識」再考』(NTT出版,2006年)④フット『名もない顔もない司法:日本の裁判は変わるのか』(NTT出版, 2007年) その他の参考書:太田勝造『法律』(東大出版会)、太田(偏)『チャレンジする東大法科大学院生』(商事法務)、ポスナー『法と社会規範』(木鐸社)、村山・濱野『法社会学』(有斐閣)、和田『法社会学』(法律文化社)、棚瀬(編)『現代法社会学入門』(法律文化社)、川島『日本人の法意識』(岩波書店)、飯田『法と社会科学をつなぐ』(有斐閣)
履修上の注意
随時指示する