基本的には以下のような大きなテーマを毎回立てて、関連した作品や理論書を読みながら、検討していく。
(テーマ1)詩は翻訳できるか? 俳句は世界文学か?
作品:松尾芭蕉の世界各国語訳を具体的に検討する。
(テーマ2)小説とは何か? 「源氏物語」も「変身」も同じ小説なのか?
(テーマ3)比較できないものを比較する――ゴーゴリと芥川、チェーホフと井伏鱒二、ジョイスと樋口一葉、ドストエフスキーとサリンジャー
(テーマ4)テクストとは何か? 作家の意図とは何か? 読者とは誰か?
(テーマ5)ユートピアとディスピア
作品:ザミャーチン『われら』、チャペック『ロボット』、芥川龍之介『河童』、ブルーノ・シュルツ「大鰐通り」、スタニスワフ・レム『ソラリス』
(テーマ6)没落と幽閉のビジョン
作品:太宰治『斜陽』、チェーホフ『桜の園』、井伏鱒二「山椒魚」、チェーホフ「賭け」
(テーマ7)文学と翻訳―翻訳で失われるもの、得られるもの。古典的名作の様々な新訳、domesticationとforeignization
(テーマ8)ハルキ・ムラカミは世界文学か?
作品:カフカ『変身』、村上春樹「恋するザムザ」デイヴィッ・ダムロッシュ『世界文学とは何か?』
7月は、現代文芸論研究室がハーバード大学比較文学科(ディヴィッド・ダムロッシュ教授)と共催で行うIWL(Institute for World Literature)と連携のうえ、IWLのために海外から来日する研究者をゲストとして招いて、特別講義・シンポジウムなどを授業の一環として行う予定。