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最終更新日:2024年4月1日

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近代文学特殊講義I

ことばと文化(9)
 近現代の世界の文学を(現代日本文学も含めて)、一国一文学の枠を超えた視点で読解・研究していくための基本的な枠組みを提供し、各自の個別の研究への応用を考える。世界文学のなかで生ずる、時空を超えた響きかわしに特に注意を払う。
 具体的な作品を読むことを通じて、ことばと文化的アイデンティティ、文学作品の翻訳、文化の固有性と越境性、批評理論は時代や国を超えて普遍性を持ちうるか、理論と実践の対話は可能か、「世界文学」は可能か、といった「大きな話題」をあえて真面目に考え、各自の個別の専門分野の理解の深化につなげていきたい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04183841
FLE-HU4V04L1
近代文学特殊講義I
沼野 充義
S1 S2
月曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
 基本的には以下のような大きなテーマを毎回立てて、関連した作品や理論書を読みながら、検討していく。 (テーマ1)詩は翻訳できるか? 俳句は世界文学か?  作品:松尾芭蕉の世界各国語訳を具体的に検討する。 (テーマ2)小説とは何か? 「源氏物語」も「変身」も同じ小説なのか? (テーマ3)比較できないものを比較する――ゴーゴリと芥川、チェーホフと井伏鱒二、ジョイスと樋口一葉、ドストエフスキーとサリンジャー (テーマ4)テクストとは何か? 作家の意図とは何か? 読者とは誰か? (テーマ5)ユートピアとディスピア  作品:ザミャーチン『われら』、チャペック『ロボット』、芥川龍之介『河童』、ブルーノ・シュルツ「大鰐通り」、スタニスワフ・レム『ソラリス』 (テーマ6)没落と幽閉のビジョン  作品:太宰治『斜陽』、チェーホフ『桜の園』、井伏鱒二「山椒魚」、チェーホフ「賭け」 (テーマ7)文学と翻訳―翻訳で失われるもの、得られるもの。古典的名作の様々な新訳、domesticationとforeignization (テーマ8)ハルキ・ムラカミは世界文学か?  作品:カフカ『変身』、村上春樹「恋するザムザ」デイヴィッ・ダムロッシュ『世界文学とは何か?』  7月は、現代文芸論研究室がハーバード大学比較文学科(ディヴィッド・ダムロッシュ教授)と共催で行うIWL(Institute for World Literature)と連携のうえ、IWLのために海外から来日する研究者をゲストとして招いて、特別講義・シンポジウムなどを授業の一環として行う予定。
授業の方法
 基本的には講義の形態で行うが、リーディングリストを配布し、毎回、取り上げる作品や参考文献を指示し、出席者はそれを読んでくることを前提とする。可能な限り、質疑応答の時間を取り、ディスカッションも重視する。  TAを採用し、様々なレベルの受講者(学部~大学院)の関心や疑問にきめ細かく応えるように努める。  海外から来日する作家・研究者(特に7月のIWLとの連携企画)をゲストとして招き、特別講義やシンポジウムを行うことも計画している。
成績評価方法
授業参加(30%)、中間レポート(30%)、および期末レポート(40%)。
教科書
 特にないが、初回に詳細なリーディングリストを配布する。参加者には、授業で扱う話題に関して、できるだけ広く多くの文献や作品を読みたいという読書意欲を期待する。
参考書
 授業に関連した書籍・文献などのリストは、学期初めに配布する。
履修上の注意
 特定の言語や文学についての予備知識は不要。特定の言語や専門分野に閉じこもらず、世界の文学を広い視野なら何でも読んでやろうという、読書意欲旺盛な諸君の参加を期待します。