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最終更新日:2024年4月22日

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美学芸術学特殊講義III

痛みの身体論
「痛み」の経験は、その私秘性(他人にはアクセスできない)および主観性(知覚のように客観的な対象を持たない)ゆえに、美学の分析の対象にはなりにくかった。一方で、障害やケアにかかわる現場では、当事者がかかえる痛みをいかに共有し、癒すかということは、常に大きな問題である。本講義では、痛みをめぐる哲学的・医学的研究の歴史を振り返りつつ、幻肢痛(切断して存在しないはずの脚や腕の痛みを感じること)や難病による痺れなど、多様な痛みを抱える当事者の言説を手がかりにして、痛みの分類と構造解析を試みる。この試みは同時に、身体を概念化・抽象化せず、その現実の多様性に寄り添って分析する作業になるだろう。美学の根幹である「感じること」がもつ可能性を深めてみたい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04180643
FLE-HU2F03L1
美学芸術学特殊講義III
伊藤 亜紗
A1 A2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
まず、抽象化された「身体」ではなく、現実の多様な身体を分析するさまざまな方法と意義、さらにその具体例を紹介する。そのうえで、痛みをめぐる哲学的・医学的研究の歴史を外観する。最後に、授業の参加者が小説や日記などから集めた痛みをめぐる証言を分析する。
授業の方法
講師による講義、論文の購読、参加者による発表を組み合わせて行う。毎回リアクションペーパーを提出してもらう。
成績評価方法
授業参加度、発表、レポートを組み合わせて、総合的に評価する。
教科書
なし
参考書
授業内で適宜紹介する。
履修上の注意
グループワークを行う。配慮が必要な場合は事前に申し出ること。