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最終更新日:2024年4月22日
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美学芸術学特殊講義III
痛みの身体論
「痛み」の経験は、その私秘性(他人にはアクセスできない)および主観性(知覚のように客観的な対象を持たない)ゆえに、美学の分析の対象にはなりにくかった。一方で、障害やケアにかかわる現場では、当事者がかかえる痛みをいかに共有し、癒すかということは、常に大きな問題である。本講義では、痛みをめぐる哲学的・医学的研究の歴史を振り返りつつ、幻肢痛(切断して存在しないはずの脚や腕の痛みを感じること)や難病による痺れなど、多様な痛みを抱える当事者の言説を手がかりにして、痛みの分類と構造解析を試みる。この試みは同時に、身体を概念化・抽象化せず、その現実の多様性に寄り添って分析する作業になるだろう。美学の根幹である「感じること」がもつ可能性を深めてみたい。
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