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最終更新日:2024年3月15日

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原典講読I

作品世界と現実世界:歴史映画への新しい視点(英語文献講読)
文学にせよ映画にせよ、芸術作品の中に描かれている世界は、いかに現実世界と似ていようとも、あくまでも虚構であり、現実の歴史とははっきりと峻別されるものだと考えられ、歴史映画に描かれた内容が歴史学研究の根拠にされるなどということはありえなかった。しかしながら近年の歴史学研究では、歴史観や歴史意識、記憶といったテーマが前景化してくるなか、歴史映画の史料としての可能性がさまざまな形で議論され、従来の歴史学研究にはなかったような新たな視点がもたらされるようになってきている。これに呼応するかのように映画研究の方もまた、旧来の自律的な「作品研究」のモデルを離れ、われわれの映画体験を、現実世界との関わりの中で捉え直すような新たな動きが出はじめている。これまで日本ではあまり紹介されていない、芸術研究と歴史研究との交点での最先端の研究の現状を知るために、英米圏で刊行された研究論文を中心に読み進めてゆく。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04180621
FLE-HU2F06L1
原典講読I
渡辺 裕
A1 A2
月曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
歴史学研究におけるこの種の研究のパイオニアと言っても良いロバート・ローゼンストーンの著書 "Visions of the Past: The Challenge of Film to our Idea of History" (1995) 、"History on Film/Film on History" (2012, 2nd ed.) をはじめとする最近の歴史映画研究の中から、歴史映画のあり方について比較的理論的に論じているタイプのものと具体的な作品に踏み込んで論じているタイプのもの、歴史学寄りのものと映画研究寄りのものとをバランス良く選んで講読する。
授業の方法
演習形式。 逐語的な講読だけではなく、担当者を決めた要約紹介、関連テーマによる自由発表、映像鑑賞なども適宜織りまぜながら多角的に進めてゆきたい。講読はともすると、文字面だけでの理解に終始し、映画の実際の場面を離れた「空中戦」になりがちであるが、この種の論文は、映画作品の具体的な場面の具体的な描写にまで踏み込むことではじめてその真価をみせてくれることも多いので、授業でもつとめて実際の映像をみてたしかめながら読み進めてゆくような姿勢を大切にしたいと考えている。
成績評価方法
授業への出席と参加度に加え、期末にレポートを課し、それらを総合的に勘案して評価を行う。
教科書
初回の授業時に主要文献リストを配布し、それをもとに授業開始時に指示する。講読する論文は、インターネット上にこの授業の履修者のためのデータ・ボックスを開設し、そこにアップロードすることで共有をはかりたい。論文で扱われている映像自体を皆で見られる仕組みも含め、開講までに整備する予定である。
参考書
主要文献リストを初回授業時に配付するほか、授業内で必要に応じて適宜指示する。
履修上の注意
特になし