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最終更新日:2024年3月15日

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美学芸術学特殊講義I

メタ芸術の諸相
「芸術」という概念の定義(本質)について考え直す契機となるような、いかにもメタ芸術らしい具体的な作品例を取り上げ、境界事例特有の哲学的含意を検証して、芸術への意識の洗練を図る。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04170612
FLE-PR2F14L1
美学芸術学特殊講義I
三浦 俊彦
A1 A2
水曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
「芸術」の定義の可能性または不可能性を探究する発見的方法として、二つのアプローチを用いる。  第一に、芸術概念を対象化するような、いかにもメタ芸術らしい作品例をいくつか取り上げ、その哲学的含意を検証する。具体的には、デュシャン『泉』と牛波『泉水』、スタニスワフ・レム『完全な真空』、アニメ「エンドレスエイト(涼宮ハルヒの憂鬱)」のほか、コンセプチュアルアートの出品拒否をめぐる論争などを予定している。  第二に、芸術性が帯びるさまざまな自己否定的な様相を考えることで、芸術の前景に隠れて見えにくかった背景的文化環境の特質を浮かび上がらせることを試みる。たとえば、芸術を拒むこと(反芸術)、単に芸術でないこと(非芸術)のほか、芸術を騙ること(贋作)、芸術を装うこと(キッチュ)、芸術を写すこと(レプリカ)、芸術を盗むこと(二次創作)、芸術に堕すること(疑似科学など)、芸術と化すこと(ファウンドアート)、芸術を脱すること(ファッション)、芸術めいたこと(娯楽、遊戯)、芸術を封じること(芸道)、芸術をぼかすこと(関係性の芸術)、芸術にあるまじきこと(悪趣味)、芸術として欠けるもの(第二芸術)、芸術かどうかわからぬもの(洞窟壁画)、芸術になりえぬもの(ポルノ等)、芸術たりうるもの(AI による制作物)……といった諸現象を具体例に即して体系化し、「真の芸術」にそれぞれの仕方で対立する仕方と理由を探ることにより、芸術の限界と可能性を考察していく。
授業の方法
講義担当者が過去に発表した複数の論文と、授業用のスライドに沿って講義形式で行なうが、臨時の提出課題と毎回のリアクションペーパーに基づいて内容を微修正することもある。
成績評価方法
主に期末レポートと提出物で評価し、出席状況を加味する。
教科書
なし
参考書
ネルソン・グッドマン『芸術の言語』(慶應義塾大学出版会) その他は適宜指示する。
履修上の注意
特になし