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最終更新日:2024年4月22日

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原典講読I

音楽を考える(英語文献講読)
この20年ほどの間に音楽研究も大きく進展し、新たな知見がもたらされたのみならず、音楽への基本的な見方や考え方自体にも大きな変化がもたらされた。しかしながら、研究がますます多様化するなか、そこで何が問い直されているのかということ自体が初学者に伝わりにくいような状況になっていることもまた否めない。この授業では、Nicholas Cook, Music: A Very Short Introduction (Oxford, 1998)を読むことを通じて、そのような落差を少しでも解消し、音楽やそれに関わる文化現象の捉え方についての視点を共有できることを目指したい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04170604
FLE-PR2F16L1
原典講読I
渡辺 裕
A1 A2
月曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
Nicholas Cook, Music: A Very Short Introduction (Oxford, 1998)を講読する。諸学問への入門書シリーズの一冊であり、一見、概説書のようにみえるが、従来のこの種の概説書の前提であった考え方自体の孕んでいた問題点や偏りを根本から問い直すことで、そこに思いがけない視界がひらかれてくる。刊行されてからもう20年近くになる本であるが、一見音楽の狭い世界の話のようにみえる知識や情報が、文化や社会の大きな問題にさまざまな形でつながっていることをいたるところで考えさせてくれるもので、その存在意義はいまだ失われていない。次に読むべき関連文献なども多数紹介されているので、授業では、本文を逐語的に読むだけでなく、それらも可能な限り取り入れ、西洋音楽研究の現在の状況を知るとともに、芸術についての学問の全体的なあり方を考え直してみる機会にもしたい。
授業の方法
演習形式。逐語的な講読だけではなく、要約紹介や関連するテーマ発表、音楽、映像などの鑑賞も適宜織りまぜながら多角的に考えてゆきたい。講読はどうしても本文の文字面だけでの理解に終始することになりがちだが、とりわけ本書は具体的な事例を多用し、そこに分け入る形で問題意識を広げて議論をすすめているので、授業でもつとめてそれらから離れることのない形で読み進めてゆくような姿勢を大切にしたいと考えている。
成績評価方法
授業への出席と参加度に加え、期末にレポートを課し、それらを総合的に勘案して評価を行う。
教科書
「授業計画」で言及した文献を軸とするが、詳細については授業開始時に指示する。
参考書
授業内で必要に応じて適宜指示する。