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最終更新日:2024年3月15日

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芸術学概論

「ホンモノ」と「ニセモノ」の芸術学
芸術の歴史や現状について考えようとするとき、芸術作品の「ニセモノ」は、取り上げる価値のないものとして、そのメインストリームから排除されるか、せいぜいその余白でエピソードとして語られる程度のものとされるのが普通であろう。だが、あえてこの「ニセモノ」の方に焦点をあわせてみてみることで、これまで自明のものと思われていた「ホンモノ」の側にある様々な矛盾やきしみが見えかくれしはじめ、そのことは「芸術作品」とはなにか、「作者」とは何かといった、芸術を考える上での基本的な問題にも新たな光を投げかけ、見直しをせまることにもなる。この講義では、狭義の「贋作」だけでなく、「マガイモノ」、「複製」といったテーマも視野に入れて考えてみることにしたい。そのことは、芸術のみならず、広く文化に関わる「オーセンティシティ」、「正統性」といった概念やその周辺にあるさまざまな問題系へと、われわれをいざなってくれことになるだろう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04170601
FLE-PR4F02L1
芸術学概論
渡辺 裕
S1 S2
月曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
今のところ、以下のようなテーマを順次取り上げることを予定している(取り上げるテーマは変更することもありうる)。 ・「ホンモノ」と「ニセモノ」をめぐる力学:贋作、盗作、取り違え   −ファン・メーヘレンのフェルメール贋作事件の背景     −批評家は贋作に騙されたのか?:ボブ・ハンセン事件とザック事件   −「伝モーツァルト作」の氾濫:ランバッハ交響曲問題とアデライーデ事件 ・複製技術と「芸術作品」概念   −どこまでが「同じ」作品?:デジタル・リマスター時代の「芸術作品」   −作曲/編曲/演奏:ヴィルトゥオーゾ vs. 真正な「作品」   −「替え歌」と「作品」概念:「作者」という文化的フィクション ・オーセンティシティと場所性   −「本場」の文化の「ホンモノ」性:ショパン・コンクールと江差追分全国大会   −「音楽都市ウィーン」にみるオーセンティシティと観光   −「日本文化」のオーセンティシティ再考:宝塚歌劇の「日本民俗舞踊」     
授業の方法
講義形式。 可能な限り、映像や音源を用いて、具体的な事例から出発する議論を心がけたいと考えている。
成績評価方法
学期末に課するレポートによる
教科書
特になし
参考書
初回授業時に講義内容に関連する主要な文献の一覧表を記載したプリントを配付する。また、授業に関連する資料を提供するためのデータ・ボックスをインターネット上に開設するので、適宜アクセスして参照すること。