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最終更新日:2024年4月22日

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死生学演習Ⅲ

死生学基礎文献講読
 改めて言うまでもなく、いかなる文化でも死に関する言及や研究は長い歴史を持つが、狭い意味での「死生学」の歴史は決して長いとは言えない。概ねそれは1960年代くらいの「死の自覚運動」の流れの中で、独立した一つのディシプリンというより、生と死の問題を考える場合のある傾向性として生じたと言える。東京大学文学部では2002年以来、COEプログラムの一環として「死生学」の研究と教育を展開してきた。2012年にCOEプログラムは終了したが、死生学・応用倫理センターがその事業を継承し、「死生学・応用倫理教育プログラム」が開設された。しかし、「死生学」固有のディシプリンはまだ構築の途上にあるのであって、我々が目指す死生学を形あるものにするためには、まだ試行錯誤を繰り返す必要があると考えている。
 本演習はそのような問題意識に基づき、死生学の方法論を模索するために、その基本文献を日本語で講読する。2013年度以来、アリエス『死を前にした人間』、ゴーラー『死と悲しみの社会学』、キューブラー=ロス『死ぬ瞬間』、加藤周一ほか『日本人の死生観』、エルツ「死の宗教社会学」、ニーメイアー『喪失と悲嘆の心理療法』、樽川典子『喪失と生存の社会学―大震災のライフ・ヒストリー』、デーケン『新版 死とどう向き合うか』、シュナイドマン『シュナイドマンの自殺学』、新谷尚紀『お葬式』、清水哲郎『ケア従事者のための死生学』、平山正実『死生学とはなにか』、岸本英夫『生と死』、竹内整一『花びらは散る 花は散らない』、島薗進『日本人の死生観を読む』、森岡正博『生者と死者をつなぐ』を講読してきた。本年度は以下の4冊を読みたいと考えている。
ジャンケレビッチ、仲澤紀雄訳『死』、みすず書房、1978。
ヴィクトール・フランクル、霜山徳爾訳『死と愛―実存分析入門』、みすず書房、1957。
宇都宮輝夫『生と死を考える―宗教学から見た死生学』、北海道大学出版会、2015。
澤井敦・有松賢『死別の社会学』、青弓社、2015。
高橋祥友『自殺予防』
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04165505
死生学演習Ⅲ
池澤 優
A1 A2
金曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
第1回:イントロダクション 第2・3回:担当教員による「死生学」概説 第4~6回:ジャンケレビッチ『死』 第7・8回:フランクル『死と愛―実存分析入門』 第9・10回:宇都宮輝夫『生と死を考える』 第11・12回:澤井・有松『死別の社会学』 第13回:高橋祥友『自殺予防』
授業の方法
 講義形式と演習形式を併用する。先ず、担当講師が今までに読んだ本を要約する形で、死生学の概要を概論する。この部分は講義形式となる。次に、講読においては、各講読書について担当者を決めるので、担当者は担当箇所を要約して発表し、適宜コメントする。その際、担当箇所の内容に関するレジュメを作成、配布する(長いものである必要はない)。他の出席者はその両方の報告に基づき議論する。担当の分量は本により異なる。  標準としては1回に2~3人が発表することを予定している。3人発表の場合は、発表時間は30分程度。
成績評価方法
発表と出席による。発表の内容が成績に反映することはない。万一、履修者数が多い等の理由で、発表の機会を得られなかった場合は、発表者と同様のレジュメの提出によって、発表をしたものと見なす。
教科書
上記参照。講読書は講師が準備する。
履修上の注意
ドタキャンは他の参加者の迷惑になるので、厳に慎んでいただきたい。一度予約した日時に発表が困難になった場合は、速やかにその旨を届け出てもらいたい。病気等の突発事による場合は、下記のメールアドレス、または電話に連絡していただいて構わない。
その他
本授業は「宗教学宗教史学特殊講義」との二枚看板である。宗教学の必修科目としての履修を希望するものは「宗教史学演習」で登録していただきたい。