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最終更新日:2024年3月15日

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哲学特殊講義

死生のケアの現象学
 看護ケア理論や看護ケアの質的研究において、現象学が注目を集めて久しい。それは、あらゆる事象を「生活世界」における「意味」体験の次元から捉え直そうとする現象学的哲学の営みが、個々の患者やその家族の「病い」の体験を理解する視点と、それに対処する方途を与えうると期待されているからであろう。
 本講義では、「ケア」という事象や「現象学」という哲学について基本的な概説を行った後、今日における最も洗練された現象学的看護理論の一つであるベナー/ルーベル『現象学的人間論と看護』を取り上げてその概要を講義し、さらにわが国で近年展開されている現象学的看護研究をも概観し、「死生のケアの現象学」の方法論について考察したい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04160105
哲学特殊講義
榊原 哲也
S1 S2
金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
以下の内容を順次講述する予定。 1.「疾患」と「病い」 2.「ケア」という営み 3.ケアの営みの解明になぜ「現象学」が必要なのか   ――「意味」という事象/「現象学」という哲学 4.ベナーの現象学的看護理論 5.西村ユミの仕事―『語りかける身体』他 6.村上靖彦の仕事―『摘便とお花見』 7.死生のケアの現象学の方法論 (ただし進行の度合いによって追加や割愛もありうる)
授業の方法
基本的に講義形式の授業をおこなうが、受講者には毎回授業の最後に感想や質問を書いてもらい、必要に応じて、次回の授業でコメントを返す方法をとる予定。
成績評価方法
授業参加度(出席、発言等)と期末レポート(ないし期末試験)を総合して評価する。
教科書
必要に応じて資料を配布する。 ただし、教科書には指定しないが、下記参考書に挙げたもののうち、西村ユミ『語りかける身体』と村上靖彦『摘便とお花見』については、各自手元に用意することをすすめる。
参考書
フッサール『イデーンⅡ』Ⅰ、Ⅱ(みすず書房) ハイデガー『存在と時間』Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ(中公クラシックス) メルロ=ポンティ『知覚の現象学』1、2(みすず書房) ベナー/ルーベル『現象学的人間論と看護』(医学書院) 西村ユミ『語りかける身体』(ゆみる出版) 村上靖彦『摘便とお花見』(医学書院) 榊原哲也「現象学的看護研究とその方法」(『看護研究』Vol.44, No.1, 2011) 榊原哲也「最初で最後、本当にその外線一階きり―透析ケアの現象学試論」(『哲学雑誌』130(802), 2015)  その他は随時授業中に指示する。
その他
推奨科目