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最終更新日:2024年3月15日

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システム工学基礎

複雑・巨大かつネットワーク化されたシステムをデザインし・記述し・評価し・改善するための,システムズ・エンジニアリング手法の基礎を体系的に学ぶ.現代のシステム工学の基本となる,要求分析から機能設計,詳細設計,解空間探索から最適化までの一連の流れを2つの観点から学ぶ.一つは,システムの構造分析手法とスケジューリングを中心とした一連の流れである.もう一つは,確率モデルを中核とするシステムモデリングとシミュレーション手法の理論的基礎からの一連の流れである.演習などを通じて実践的課題にも取り組み,身に付く形で学び取る.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
03-840451
システム工学基礎
青山 和浩、白山 晋、藤井 秀樹
S1 S2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
1.5
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
工学部
授業計画
「システムデザインとモデリング」(1,3, 4,8:4回分) 青山和浩 教授 「システムモデリングの基礎」(2,5,6,12:4回分) 白山 晋 准教授 「離散モデルとシミュレーション」(8,9,10,11:4回分) 藤井秀樹 講師 1. システム設計と発想支援 (4/7 青山) システムを設計する立場から必要となる視点,基本的な手法を学習する.システムを体系的に設計する流れを理解し,システム設計のポイントはシステム境界の設定,要素の抽出,要素間の関係づけであるとの立場から,発想支援を中心とした関連手法を学習する. 2. システムモデリング(グラフ理論とシステムの行列表現から) (4/14 白山) システムモデリングでは,要素間の関係性を数学的に記述する方法が必要になる.この基礎としてグラフ理論について学ぶ.行列による表現,グラフ距離などの基本指標,論理演算による指標の算出法,図的表現手法としてグラフレイアウトについて説明する. 3. システム設計におけるシステムの静的構造分析 (4/21 青山) システムの構成要素間の静的な関係である影響関係,依存関係の表現と構造化について学習する.システム設計で利用される定番手法として,QFD(Quality Function Deployment)とDSM(Design Structure Matrix)を紹介しながら,システムの静的構造とその構造分析である構造化手法の目的とポイントを理解する. 4. システム設計におけるシステムの構造分析とダイナミクス (5/12 青山) システムの構成要素間の動的な関係である因果関係の表現とモデル化をについて学習する.具体的には,因果ループ図やシステムダイナミクスの基本的な考え方を理解した上で,システムのダイナミクスを把握する目的とポイントを理解する. 5. システムモデリング(確率モデル(確率過程)) (5/19 白山) システム全体の状態,あるいはシステムを構成する要素の状態が何かしらの変量によって表されるものとし,システム,あるいは構成要素の状態遷移をモデル化するために必要となる確率過程の基礎について学ぶ. 6. システムモデリング(マルコフ連鎖)(5/26 白山) システムにおいて今の状態のみが次の状態に確率的に影響するという場合のモデル化について学ぶ.マルコフ性,状態推移図,推移確率,あるいは遷移確率を中心として離散時間マルコフ連鎖と連続時間マルコフ連鎖を説明する. 7. システム設計における「あいまい性」(6/2 青山) システムには「あいまい性」が含まれ,「あいまい性」を適切に認識し,システム設計を進める必要がある.「あいまい性」に関する基礎知識として,ファジィやファジィ関係等を学習し,その利用方法を議論する. 8. 離散モデル(オートマトン,セルオートマトン)(6/9 藤井) システムの状態と遷移を表すオートマトンと,空間的な広がりを持ち,隣接する領域の状態をもとに自らの状態を変化させるセルオートマトンについて学ぶ.1次元および2次元セルオートマトンの遷移規則と分類について実例を交えながら説明する. 9. 離散モデル(エージェント,マルチエージェント)(6/16 藤井) 人間の代理として自律的に行動するエージェントと,エージェントを多数共存させてシステムの複雑な振る舞いを表現する手法であるマルチエージェントについて学ぶ. 10. 離散モデル(自己組織化)(6/23 藤井) 単純なモデルが示す複雑性や,複雑性を持ったシステムが自律的に秩序を生み出す現象である自己組織化について学ぶ.システムが生み出す秩序としてのフラクタル,および,フラクタルが持つ性質としてのべき乗則を取り上げる. 11. 離散モデル(連続体の離散モデル化)(6/30 藤井) これまでに学んだ離散モデルを応用して実際の現象のシミュレーションを行うための手法について学ぶ.特に,離散モデルを用いた連続体のシミュレーションについて説明する. 12. システムモデリングとシミュレーション(待ち行列など)(7/7 白山) システムにおいて,待ち状態のモデル化が必要になることがある.待ちの発生,到着分布,サービス分布を中心として,待ち行列によるモデル化とシミュレーションへの展開について学ぶ.
成績評価方法
「システムデザインとモデリング」(青山担当4回分) 「システムモデリングの基礎」(白山担当4回分) 「離散モデルとシミュレーション」(藤井担当4回分) に対して,それぞれの教員担当分を20点として採点する.具体的な採点基準は講義中に示す. 全体での試験を60点とし,20点x 3+60点分を100点満点に換算後に成績付けを行う.
教科書
東京大学工学教程「システム理論II」
その他
事後履修:設計学基礎,知識と知能,マルチエージェントシステム,社会システム工学応用 事前履修:システム創成学基礎,社会システム工学基礎