比較的近時に現れた最高裁判例の中には、従来の学説において必ずしも自覚的に論じられてはこなかった新たな問題を含んでいる興味深いものがみられます。本演習では、そのような民法に関する新たな課題に焦点を当てて判例を分析し、それが既存の議論の枠組みにどのようなインパクトを与えるものであるか、検討することを通じて、民法についての基本的な理解を深めるとともに、新たな問題をみずから分析する能力を修得することを目的とします。
さらに、演習に参加することは、単に大教室で一方的に講義を受けるだけでは得ることのできない、法学部図書室やインターネットを利用して判例や文献等を自分で検索することや、課題を分析検討した結果を一定の視角から論理的に構成してわかりやすくプレゼンテーションすること、といった法律学を学ぶ者としての基礎的な素養を習得することも目的としています。