大学院
HOME 大学院 金融市場と公共政策
過去(2018年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年3月15日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

金融市場と公共政策

金融市場と公共政策
 本講義では、金融市場や金融システムを巡り、これまでの現実的課題に対して、どのような政策対応がとられ、その効果はどう評価されているのか、という観点から、背景や考え方、関連する理論、政策対応、実証分析等について概観していく。具体的には、非伝統的金融政策、マクロプルーデンス政策、金融システム対応、地域金融、政策金融、不公正事案に対する市場監視、コーポレート・ガバナンス関連、FinTech等のテーマを扱う。
 また、毎回、授業の冒頭10分程度を使って、直近のアナリストレポート等を用いて、現実の金融市場における最近のトピックについて解説することを予定している。
 本講義は、将来、金融機関・商社やシンクタンク、コンサルティング・ファーム、政策当局等において、金融実務を担うことを考えている学生を念頭に、これまでの金融市場や金融システムにおける現実的課題に対して、その背景や政策対応等についての理解を深めることを目標とする。
 なお、担当教員は、中央官庁(金融庁、財務省)、日本銀行、民間シンクタンク等における勤務経験を有する行政官・実務経験者であり、講義に際しても、理論のみならず、現実の動きや政策対応・実証分析等をバランスよく取り扱っていきたいと考えている。

MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
5123488-1
GPP-MP6E20L1
金融市場と公共政策
湯山 智教
S1 S2
木曜3限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
公共政策学教育部
授業計画
<イントロダクション> (1) デフレと非伝統的金融政策(①、②、③)  ①ゼロ金利と量的金融緩和、金融システム対応、Fed ViewとBIS View等  ②量的・質的金融緩和(異次元金融緩和)、マイナス金利等  ③イールドカーブコントロール、出口政策、その他等 (2) 銀行システム危機と不良債権処理・事業再生  ・不良債権問題の発生、公的資金注入、セーフティネット、事業再生等 (3) 金融危機とマクロプルーデンス政策  ・国際金融規制、プロシクリカリティ対策、監督体制再編等 (4) リーマンショック・東日本大震災と政策金融  ・信用保証、危機対応融資、セーフティネット貸付、企業再生支援、   中小企業金融(金融円滑化法)等 (5) 地方創生と地域金融を巡る政策対応  ・人口減少問題、リレ―ションシップ・バンキング、担保・保証に依存しない取引、   地域金融機関に関する問題等 (6) 市場を巡る不公正事案と市場監視・エンフォースメント(①、②)  ①開示・粉飾(西武鉄道、ライブドア、カネボウ、オリンパス、東芝)、   制度・政策対応、監査法人問題等  ②インサイダー(村上ファンド、公募増資インサイダー、フェアディスクロージャー)、   市場監視、制度・政策対応等 (7) 多重債務者問題と貸金業法改正  ・グレーゾーン金利、法律完全施行、総量規制の導入と影響・効果等 (8) 成長戦略のためのコーポレートガバナンスコード・スチュワードシップコード  ・ガバナンス改革、ESG投資、ソフトロー対応等 (9) 国際金融市場の動揺と政策対応  ・欧州債務危機、米国財政問題、Brexit、中国シャドーバンキング等 (10) フィンテックの進展と金融システムの行方  ・金融とITを巡る諸問題、仮想通貨対応、金融業態横断法制の検討等 (注1)全13回のうち、上記内容のほか、講義の進捗状況にもよるが、外部講師   (シンクタンクエコノミスト・政策当局者等を想定)による講義を1~2回実施   する予定。 (注2)講義の順番・内容は、履修生の関心・講義の進捗等により変更し得る。
授業の方法
講義及び質疑応答を中心とする。
成績評価方法
平常点を重視する。レポートを課す。筆記試験は行わない。
教科書
教科書の指定は行わない。各回で使用する資料はITC-LMS等により配付し、必要があれば各学生がそれぞれダウンロードする。
参考書
参考文献は、必要に応じて講義の中で紹介する。また、配布可能な論文・レポート等は適宜配布する。なお、直接講義で参照するわけではないので、あくまでも参考として、以下を参考書籍として紹介しておく。  白川方明「現代の金融政策―理論と実際」日本経済新聞出版社、2008年  翁邦雄「金融政策のフロンティア: 国際的潮流と非伝統的政策」日本評論社、2013年  翁邦雄「金利と経済」ダイヤモンド社、2017年  翁百合「金融危機とプルーデンス政策」日本経済新聞出版社、2010年  翁百合「不安定化する国際金融システム」NTT出版株式会社、2014年  宮内惇至「金融危機とバーゼル規制の経済学」勁草書房、2015年  みずほ総合研究所「国際金融規制と銀行経営」中央経済社、2017年  西村吉正「金融システム改革50年の軌跡」金融財政事情研究会、2011年  神作裕之・小野傑・今泉宣親編「コーポレートガバナンスと企業・産業の持続的成長」   商事法務、2018年  大森泰人「霞ヶ関から眺める証券市場の風景」株式会社きんざい、2015年   岩村充「中央銀行が終わる日: ビットコインと通貨の未来」新潮選書、2016年
履修上の注意
必須ではないが、基礎的なマクロ経済に関する知識は有していることが望ましい。
その他
照会事項がある場合には担当教員(湯山)までメール連絡のこと。 メールアドレス:yuyama "(at)" pp.u-tokyo.ac.jp 研究室:国際学術総合研究棟1122号室(11階)