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最終更新日:2024年3月15日

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公共政策の経済評価

政策形成をより合理的なものに改善していくためには、政策分析の質的向上が必要である。
なかでも、政策の効果を経済学的に分析することは、その結果を肯定するにせよ、否定するにせよ、政策形成上必須であろう。しかし、これまで、政策の効果を経済学的に分析することは日本の政策現場では伝統的に軽視されてきた。
本科目の主要な目標は、以下の2つである。1つは、費用便益分析の標準的な教科書に基づいて費用便益分析の全体像を習得することである。もう1つは、費用便益分析の知識を理解するには現実の事象への応用が不可欠という観点に立ち、受講者がグループに分かれ、社会資本投資、市場設計、規制評価等、自ら選んだ事例について費用便益分析を行うことである。
なお、ミクロ経済学、マクロ経済学及び統計学の素養が前提となるが、高度な経済学的分析を追求するものではなく、前提とする水準は「Principles of Microeconomics」及び「統計分析手法」程度である。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
5113090
公共政策の経済評価
岩本 康志/鎌江 伊三夫/岸本 充生
A1 A2
火曜4限、金曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
4
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
公共政策学教育部
授業計画
「公共政策の経済評価実習」と一体化した授業である。主として、①費用便益分析の基礎の講義、②外部講師による費用便益分析の実例紹介、③政策評価プロジェクトのレポート作成からなる。なお、進度等により各部分に割り当てる時間は調整することがある。 ①の講義内容(12回程度) 費用便益分析の概念的基礎 ミクロ経済学による基礎 便益と費用の計算方法 割引 不確実性への対処 オプション価格と存在価値 社会的割引率と社会実験 観察された行動をもとにした便益計算 CVMとシャドウプライス 費用効果分析、費用効用分析、費用便益分析の現状と課題等 ②の内容(10回程度) 電力、航空、自動車税・酒税、医療・薬剤、規制影響評価等の費用便益分析の実例を紹介する。   ③の内容(8回程度) 受講者をグループ分けし、各グループで1つの事例の費用便益分析を行う。なお、費用便益分析の事例テーマの選定は、各グループがメンバーの興味に基づき、教員、他のグループメンバーのコメントも考えながら自主的に行う。この費用便益分析の事例研究に関して、中間発表、最終発表を行い、政策分析レポートを執筆する。
授業の方法
講義と演習にて行う。
成績評価方法
中間試験(20%)、最終試験(30%)、練習問題(15%)、政策分析レポート(30%)、授業における発表と参加度(5%)による。
教科書
Boardman, Anthony E., David H. Greenberg, Aidan R. Vining, and David L. Weimer. Cost-Benefit Analysis: Concepts and Practice. 4th ed., Prentice Hall, Upper Saddle River, NJ, 2011(2版には邦訳があるが絶版である:『費用便益分析-公共プロジェクトの評価手法の理論と実践』岸本光永監訳,ピアソン・エデュケーション,2004年)。
参考書
金本良嗣・蓮池勝人・藤原徹『政策評価ミクロモデル』オンデマンド、東洋経済新 報社、2015年。
履修上の注意
以下の科目をすでに履修しているか、同時に履修していること。 (1)Microeconomics,Microeconomics for Public Policy,あるいはPrinciples of Microeconomics (2)Econometrics for Public Policy,Statistical Methods,あるいは統計分析手法