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最終更新日:2024年4月22日

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デジタルアーカイブ原論

論文作成のためのデジタルアーカイブ
 アナログ情報・デジタル情報が混在する現在、いずれの情報にも目配せをしつつ、デジタル環境を前提に学術研究の成果としての論文を作成しなければならない研究者にとって、デジタルアーカイブ構築に関する知識と技術は、論文作成の基礎的な作法として必須のものとなりつつある。
 誰もが一度は、デジタル時代の論文作成に関することがらに悩んだことがあるだろう。具体的にいえば、紙の資料をデジタル化する際、どのようなファイル形式を選択すれば、後になって困らないか。メタデータ付与はどうすればよいか。フィールドワーク中に自分で撮影した映像やインタビューは、どう処理すべきか。すでにある画像資料や音声資料の扱いはどうか。論文やインターネット上の記事などを引用する際の出典表記方法を、きちんと押さえているか。日々行っている検索では、いったい何をどこまですくい上げているのか。情報公開時に考慮すべき権利処理はどうすべきか……、といった問題である。
 そこで、この授業では、デジタルアーカイブに関する知識と技能のうち、とくに、論文作成と公開時に必要となるものに焦点をあて、個々の問題の解決法をそれぞれの専門家による講義によって段階的に理解してもらうことを、主たる目的としている。
 また、授業時間外に、紙の資料をデジタル加工できる設備も整えたい。履修者自身が個人的に収集した紙の資料を、自分自身でごく簡単なデジタル加工を施し、素朴な形ではあるが、デジタルアーカイブを自分の手で構築してもらうことによって、既存のデジタルアーカイブやデータベースの成り立ちと限界も次第に理解できるようになるであろう。
 さらに、この分野に興味を覚えた履修者に向けて、論文作成のレベルを超えた、我が国のデジタルアーカイブの将来的展開に関する知見を得る機会も設けたい。
一連の体験を通して、21世紀のデジタル知識基盤社会を生き抜く知見を養うことが、この授業の最終目標である。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
4990300
GII-WS6123L1
デジタルアーカイブ原論
柳 与志夫
S1 S2
水曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
学際情報学府
授業計画
第Ⅰ部:論文作成のためのデジタルアーカイブ 1.イントロダクション(授業の概要、目的、評価方法などの説明) 2.論文作成の基本 3.歴史資料などの取扱い 4.ディスカッション 5.フィールドワークなどで得られた映像の取扱い 6.画像・映像・音声などの資料の取扱い 7.メタデータ、参考文献目録の表記方法 8.著作権等の権利処理(1)理論編 9.著作権等の権利処理(2)実践編 10.情報検索、OCRの現状 第Ⅱ部:デジタルアーカイブ最前線 11.デジタルアーカイブの産業論 12.デジタルアーカイブのシステム論 13.デジタルアーカイブのネットワーク論 14.まとめ
授業の方法
講義、質疑応答、レスポンスシートへの記入
成績評価方法
平常点(出席回数、質疑応答などへの参加度、およびレスポンスシートの提出回数と内容の充実度などから総合的に判断する)
教科書
プリントを配布する予定
参考書
柳与志夫『入門デジタルアーカイブ』勉誠出版、2017年 時実象一『デジタル・アーカイブ最前線』講談社ブルーバックス、2015年 NPO知的資源イニシアティブ編『デジタル文化資源の活用 地域の記憶とアーカイブ』勉誠出版、2011年 NPO知的資源イニシアティブ編『アーカイブのつくりかた 構築と活用入門』勉誠出版、2012年 NPO知的資源イニシアティブ編『これからのアーキビスト デジタル時代の人材育成』勉誠出版、2014年 福井健策・吉見俊哉監修『アーカイブ立国宣言』ポット出版、2014年 岡本真・柳与志夫責任編集『デジタル・アーカイブとは何か 理論と実践』勉誠出版、2015年 渡邊英徳『データを紡いで社会につなぐ デジタルアーカイブのつくり方』講談社現代新書、2013年 亀山渉監修『デジタル・コンテンツ流通教科書 (インプレス標準教科書シリーズ) 』インプレスR&D、2006年 今井英樹ほか『ユビキタス時代の著作権管理技術—DRMとコンテンツ流通』東京電機大学出版局、2006年10月
履修上の注意
授業の概要や評価方法について詳細な説明を行うため、履修希望者は第一回の授業に必ず出席すること。 授業計画は進行状況によって変更することがありうる。
その他
授業履修者には、専用ブックスキャナの授業時間外利用が認められる。