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最終更新日:2024年4月1日

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計算科学における情報圧縮

計算科学における情報圧縮
 現在の計算科学では、銀河のダイナミクスから量子ビット間のエンタングルメントまで多岐にわたる問題が研究対象となっている。これら多様な問題を計算機で扱う際には、対象系の巨大な自由度をいかに圧縮し、効率的に有限のメモリ内で表現するかが、共通する課題となる。とくに多体問題では、しばしば、構成要素数に対して指数関数的に自由度が増大するため、膨大な自由度をいかに扱うかが普遍的に重要な課題となってきた。現在では、天文や物理学、化学などの個々の科学分野での発展に加え、応用数理や量子情報からの知見を取り入れた情報圧縮手法が注目を集めている。
 本講義では、情報圧縮の基礎となる、スパース・モデリングやクリロフ部分空間法、よび、特異値分解等を用いた、行列・テンソルの低ランク近似の紹介から始め、物質科学や素粒子理論で自由度の効率的な圧縮に用いられている matrix product stateやそれを拡張した tensor network state、さらに、効率的な圧縮の背景にあるエンタングルメントの概念について学ぶ。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
4810-1188
計算科学における情報圧縮
山地 洋平
A1 A2
木曜3限
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講義使用言語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
情報理工学系研究科
授業計画
第1回: 現代物理学における巨大なデータ 第2回: 情報圧縮と繰り込み 第3回: 情報圧縮の数理1 (線形代数の復習) 第4回: 情報圧縮の数理2 (特異値分解と低ランク近似) 第5回: 情報圧縮の数理3 (スパース・モデリングの基礎) 第6回: 情報圧縮の数理4 (クリロフ部分空間法の基礎) 第7回: 物質科学における情報圧縮 第8回: スパース・モデリングの物質科学への応用 第9回: クリロフ部分空間法の物質科学への応用 第10回: 行列積表現の基礎 第11回: 行列積表現の応用 第12回: テンソルネットワーク表現への発展 第13回: テンソルネットワーク繰り込みと低ランク近似
授業の方法
講義で数理を学び、並行して、レポート課題による演習によって現代科学における情報の圧縮について基礎的な技術を身につける。
成績評価方法
3回のレポート提出によって成績を評価する。
教科書
項目ごとに授業で指示する。