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最終更新日:2024年4月22日

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地域文化研究特殊研究I

現代韓国研究のリバース・エンジニアリング
車も家電も競合他社の新製品が出ると、各メーカーはすぐに部品の一つひとつにまで解体し、しらみつぶしに調べ上げる。研究でも、論文や本という完成品からデータ、理論や方法、さらにはリサーチ・デザインへと逆向きにたどる「リバース・エンジニアリング」が生き残りや新規参入には欠かせない。本授業では、現代韓国研究の「消費者」から「生産者」になる――市場に新規参入する――べく、「製品の設計図(研究計画書)」を書き上げることを目的にする。具体的には、合理的選択論アプローチ、歴史学的アプローチ、少数事例比較という3つの異なるタイプの「完成品(先行研究)」を取り上げる。さらに、研究計画書の作成や論文の査読プロセスについても、担当教員の実例をつぶさに示す。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31M220-1334S
地域文化研究特殊研究I
浅羽 祐樹
S1 S2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
1回目・2回目(6月24日(土)) 「リバース・エンジニアリングとはなにか」 各自、研究テーマに関する文献リストを参加者の人数分、持参する ・佐藤郁哉『社会調査の考え方(上・下)』(東京大学出版会、2015年)(*) ・浅羽祐樹「佐藤郁哉『社会調査の考え方(上・下)』の紹介」『アジア経済』第57巻第3号(2016年9月)p.89. (*) ・「日本における韓国政治外交研究の「現住所」―研究動向のサーベイと大学院教育のあり方に関する試論」『現代韓国朝鮮研究』第14号(2014年)pp.31-43. http://www.ackj.org/?page_id=1581 ・曽我謙悟「先行研究を読むとはいかなる営みなのか―大学院新入生への1つのアドバイス(上・中・下)」『書斎の窓』No.635(2014年9月号)、No.636(2014年11月号)、No.637(2015年1月号) http://www.yuhikaku.co.jp/static/shosai_mado/html/1409/07.html http://www.yuhikaku.co.jp/static/shosai_mado/html/1411/05.html http://www.yuhikaku.co.jp/static/shosai_mado/html/1501/06.html 3回目・4回目(6月25日(日)) 「リバース・エンジニアリングする(1):合理的選択論アプローチ」 ・大西裕『先進国・韓国の憂鬱―少子高齢化、経済格差、グローバル化』(中公新書、2014年)(*) ・大西裕『韓国経済の政治分析―大統領の政策選択』(ミネルヴァ書房、2005年)(*) 5回目・6回目(7月1日(土)) 「リバース・エンジニアリングする(2):歴史学的アプローチ」 ・木村幹『日韓歴史認識問題とは何か―歴史教科書・「慰安婦」・ポピュリズム』(ミネルヴァ書房、2014年)(*) ・木村幹『民主化の韓国政治―朴正煕と野党政治家たち 1961~1979』(名古屋大学出版会、2008年)(*) 7回目・8回目(7月2日(日)) 「研究計画書を書く/審査する」 ・浅羽祐樹「1票の格差是正をめぐる議会・司法・有権者間の立法ゲームに関する司法政治論的な分析」(科研費・基盤(C))(16K03480) https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16K03480/ ・浅羽祐樹「民主政治における非選出部門の役割:韓国憲法裁判所に対する司法制度論的分析」(科研費・基盤(C))(25380163) https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-25380163/ ・浅羽祐樹「比較執政制度論における韓国の大統領制」(若手(B))(22730120) https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22730120/ ・浅羽祐樹「韓国憲法の持続と変化:新制度論における制度的均衡と均衡制度の観点から」(若手(B))(19730111) https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19730111/ 9回目・10回目(7月8日(土)) 「リバース・エンジニアリングする(3):少数事例比較」 ・川中豪・浅羽祐樹「自己拘束的制度としての選挙管理システム―韓国とフィリピンの比較研究」大西裕編『選挙管理の政治学―日本の選挙管理と「韓国モデル」の比較研究』(有斐閣、2013年)pp.59-82 ・斉藤淳・浅羽祐樹「恩顧主義と貿易自由化―コメ保護農政の日韓比較」『選挙研究』第28巻第1号(2012年)pp.114-132 11回目・12回目(7月9日(日)) 「論文を査読する/書き直す」 ・浅羽祐樹「韓国総選挙における候補者選出方法の変化と大統領による政党統制」日本比較政治学会編『執政制度の比較政治学』(ミネルヴァ書房、2016年)pp.181-207. 13回目(7月15日(土)) 「研究計画書を発表する」
授業の方法
1・2回目は講義、3回目以降はゼミ形式。ゼミでは、参加者全員が毎回、レジュメ(A4で1~2枚)を準備した上で臨み、教室ではそれをもとに議論する。全員が報告者であり、指定討論者(ディスカッサント)である中で、ピア・レビューを重視する。
成績評価方法
ゼミへの毎回の貢献(60&)、研究計画書(40%)
教科書
「授業計画」欄において(*)で記した文献は各自の責任で必ず入手すること。それ以外は全て、初日に配布する。いずれも、指定された回までに読み終えておくこと。
参考書
久米郁男『原因を推論する―政治分析方法論のすゝめ』(有斐閣、2013年)
履修上の注意
初回に、各自の「競合他社」と「マーケット」について尋ねますので、理由を挙げて答えることができるようにしておいてください。指定するテキストや課題の量がdemandingかもしれませんが、自社のポジションやマーケティング戦略、さらには経営のあり方そのものを見直す契機を提供します。