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最終更新日:2024年4月22日

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伝統と創造II

演劇の観客論
21世紀に入って、フランスの演劇研究では観客についての考察が目立つ。背景には哲学者のJacques Rancièreの解放論などがありますが、演劇の実践の場で観客という制度を問いなすある種の必然性があったとも考えられる。Sセメスターの授業に続いて、この授業では、フランス語で書かれた数本の観客論を原文で精読し、その上、具体的な作品における実際の観客体験について一緒に考えていきたい。特に取り上げてみたいのは、最近東西を問わず盛んになったいわゆる「ドキュメンタリー演劇」の場合です。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31D210-0100A
伝統と創造II
パトリック ドゥヴォス
A1 A2
火曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
総合文化研究科
授業計画
以下のスケジュールを考えているが、項目の順番変更などがあり得る。 1. 何故、観客論なのか。 2, 3&4. ジャック・ランシエールの観客論について、 Christian Ruby著「Critique de la raison spectatrice, Jacques Rancière et les discours sur les spectateurs」を読む。 5 & 6. Marie-Madeleine Mervant-Roux氏の観客研究『Figurations du spectateur』における観客の六つの位相。 7 & 8.ベルギーの劇団グロポフによる『Rwanda 94』の場合。史実、資料とメディア批判。 9 & 10. Hamidi-Kim 著『La réception de Rwanda 94: contresens, metis ou malentendu ?』を参考にして、『Rwanda 94』を分析する。 11 & 12. ドキュメンタリ演劇における観客の立ち位置。 13. 他のドキュメンタリ的舞台作品から観客の「体験」を考える。
授業の方法
フランス語で書かれた文章を精読するが、学生による発表について議論しながら進んで行く予定である。 発表の課題はフランス語のテキストの翻訳以外に、作品分析なども考えられる。
成績評価方法
平常点とレポート
教科書
授業中読む論文のコピーを配ります。
参考書
ジャック・ランシエール 著『解放された観客』; 梶田裕訳、法政大学出版局。 演劇雑誌『Théâtre / Public』, 208号, 2013。 M.-M. Mervant-Roux『Figurations du spectateur』, L’Harmattan, 2006. C. Ruby, 『L’âge du public et du spectateur』, La Lettre Volée, 2007. A.Caillet & F. Pouillaude 『Un art documentaire. Enjeux esthétiques, politiques et esthétiques』, PUR, 2018.
履修上の注意
フランス語で書かれたテクストを読むので、ある程度のフランス語の読解力が 要求される。