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最終更新日:2024年4月1日
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「日本美術の19世紀」再考4-猥褻論
「日本美術の19世紀」再考4-猥褻論
東京大学での最後の講義となる。おそらく最終講義では語り尽くせないので、最終集中講義とする。そのテーマがなぜ「猥褻論」なのか。2013年秋に大英博物館で開催された「春画—日本美術における性と楽しみ」展を手掛かりに、2014年度から2015年度にかけて「近代日本の性表現」を開講した。性は世代を問わず大きな関心事だから、多くの受講生が集まったが、世代により、年齢により、嗜好により、関心が多種多様であることを改めて思い知らされた。つまり、私の知らない性表現を教えられた。私がそこで取り上げた問題を図式的に描くと、「春画の退場とヌード芸術の登場」ということになる。この交代劇の背景には、おそらく明治期の日本社会における猥褻観念の形成がある。この集中講義でも、あくまで「日本美術の19世紀再考」の枠内で、明治時代を中心に「猥褻」を論じるが、この問題は「わいせつ」と平仮名表記され(刑法に基づく)、漢字の意味を意識させることなく、現代社会を拘束し続けている。
受講希望者は、10月31日までにつぎの課題に答え、レポートを提出しなければならない。これを以て受講資格とする。
① なぜ猥褻を論じたいのかを明らかにせよ、② 古今東西を問わず、具体的な猥褻物(警察ではなくあなたが決めてもよい)を1件挙げ、そこにどのような問題があるのか考えを述べよ。字数無制限、提出先 kino@l.u-tokyo.ac.jp
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