大学院
HOME 大学院 社会の記憶:記憶のメディア
過去(2017年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年4月22日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

社会の記憶:記憶のメディア

社会の記憶:記憶のメディア
 個人ではなく社会が記憶を持つ、あるいは個人の記憶でさえ社会的に規定されているということは、最近の記憶論研究の成果によって自明のこととなりつつあります。社会の記憶は様々な貯蔵メディア(Speicher Medien)に貯蔵され、伝播メディア(Verbreitungsmedien)により、社会の隅々まで伝播されます。これら記憶のメディアは技術革新と社会構造の影響下にあります。文学、絵画、音楽、演劇、彫刻、建築、写真、映画、テレビ・ビデオ映像等々、もっとも広い意味での芸術作品もこれらの記憶のメディアとみなすことができます。また、国家などの集合体は特定の儀礼を通じて、集合的記憶を儀礼的に再生産します。ヨーロッパ近代以降に成立した国民国家も様々な儀礼を通じて、その文化的同一性と文化的境界を創出してきました。
 この授業では、ヤン・アスマン、アライダ・アスマンの論文・著書をはじめとするドイツの文化科学(Kulturwissenschaften)と記憶社会学の文献を講読します。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21170809
社会の記憶:記憶のメディア
森川 剛光
S2
集中
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
1. 始めに。ヤン・アスマンと文化的記憶の概念 2. 記憶(想起)の空間 3. 身体の記憶 4. カノンとタブー 5. 記憶のメディアと社会構造1 (文書とレトリック) 6. 記憶のメディアと社会構造2 (文化) 7. 記憶のメディアと社会構造3 (ネット) 8. トラウマ 9. 集合的アイデンティティ 10. ナショナリズム。国民の記憶と国民国家形成 11. 想起の文化 12. グローバル化 13. 総括討論
授業の方法
授業の方法:授業はゼミ形式で行います。参加者には最低一回文献報告をして頂きます。
成績評価方法
平常点(50%)と報告(40%)、ハンドアウト(10%)
教科書
なし
参考書
アライダ・アスマン (2007)『想起の空間 : 文化的記憶の形態と変遷』(安川晴基訳)、東京 : 水声社 Assmann, Aleida (2006): Erinnerungsräume. Formen und Wandlungen des kulturellen Gedächtnisses. 3. Aufl. München: Beck. Assmann, Aleida (2008): Einführung in die Kulturwissenschaft. Grundbegriffe, Themen, Fragestellungen. 2., neu bearb. Aufl. Berlin: Schmidt. Assmann, Jan (1999): Das kulturelle Gedächtnis. Schrift, Erinnerung und politische Identität in frühen Hochkulturen. München: Beck. Dimbath, Oliver; Heinlein, Michael (2015): Gedächtnissoziologie. Paderborn: Fink. Esposito, Elena (2002): Soziales Vergessen. Formen und Medien des Gedächtnisses der Gesellschaft. Frankfurt am Main: Suhrkamp. Lehmann, René; Öchsner, Florian; Sebald, Gerd (Hg.) (2013): Formen und Funktionen sozialen Erinnerns. Sozial- und kulturwissenschaftliche Analysen. Wiesbaden: Springer VS.
履修上の注意
ドイツ語のテキスト講読が中心になるので、ドイツ語の知識を前提とします。